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「僕のことなんて、気にしなくていいのに……」
「私のことはいいから!
ご飯食べたのなら、さっさと歯を磨いてきなさい!」
「……わかったよ」
僕は、言われるがままに洗面所に向かい歯を磨いた。
「制服汚さないでよ」
ホント瞳って、世話焼きだよね。
「わかってるよ……」
「返事は、『はい』でしょ?」
「……はい」
僕は、歯を磨いている間に昨日のことを思い出していた。
『こいつは、誰とでもヤる』
今日、水谷さんとどんな顔で会えばいいのだろう?
歯を磨き終えた僕は、玄関に向かった。
「ちょっと、出るのなら声をかけてよ」
「行くよ」
「今更言っても遅い!」
瞳が頬を膨らませている。
ちょっと可愛いかも?