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「ただいま」
「おかえり」
エプロン姿の瞳が迎えてくれた。
「どうしたんだ?
出迎えてくれるなんて初めてじゃないか?」
「そ、そんな事ないよ……」
瞳は、照れるように顔を赤らめた。
「今日の晩は何だ?」
「今日は、少し寒いから鍋にしようかと思って……」
「ふたりなべ?」
「うん。
あの、その……
ダメかな?」
「ダメじゃないよ」
「そう、よかった」
「なんかあった?」
「え?どうして?」