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「ここはね、冬でも天気がいい日は、暖かいから私たちのお勧めの場所なんだー」
瞳が得意気にそう言った。
「へぇ~
皆さんいつも、ここで食べているんですか?」
澪が、目をキラキラさせながら瞳に尋ねる。
「僕は、たまにかな…」
「私は、良くここで食べるよー」
瞳がそう言った後に、水谷さんは小さく答える。
「私は、初めてです」
「へぇ~」
澪は、小さく関心すると弁当箱を広げた。
「ってか、たまに思うんだけど……
瞳って、よくここで一人で食べてるよね?
寂しくない?」
僕がそう言うと瞳が照れ笑いを浮かべながら言う。
「ウチの学校って、昼休みにもクラブがあるじゃない?
私の友だちは、ほとんどそっちに行っちゃうからさー」
「そっか」
「お姉さんたちは、クラブは何部なんですか?」
「僕は、音楽部」
「私は、空手部」
「帰宅部です……」
「わぁ、だからお姉さん喧嘩が強いんですね!」
「あははは……」
瞳は、笑ってごまかした。