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「ちょっと待ったー!」
僕は、慌てて起き上った。
目の前に、足を思いっきりあげている水谷の姿が見える。
水色!
じゃなかった!
「水谷さん見えてるよ」
水谷さんは、足をすぐに下ろすとスカートを押さえた。
「見ましたね?」
「見てない、見てない、見てない」
「さっき、『見えてる』って言いました」
水谷さんは、そう言うと頬を膨らませた。
「嘘つきは嫌いです」
「奈々ちゃん、こんなヤツ、無視してお弁当を食べよ!」
瞳は、そう言うと僕の分のお弁当を机に置くと教室から出て行った。
「よぅ!羨ましい限りだぜ……」
菊池が話しかけてきた。