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――昼休み
僕は、弁当を瞳から貰うと自分の席に戻った。
「あ、真白」
すると瞳が声をかけてきた。
「席借りても良い?」
「ん?」
瞳の方に目をやると水谷さんの周りに数人の女子が立っていた。
あの子も仲良くなるきっかけが必要だよね。
僕は、そう思うと静かに席を立った。
「どうぞどうぞ」
部室で食べようかな。
僕は、部室に向かった。
僕らの学校は少し変わっていて、朝練が無い代わりに昼休みもクラブをやっている。
だから、部室で弁当を食べるヤツって結構多い。
と、言ってもこれから、僕が向う音楽部はほとんど誰もいない。
ほぼ全員が幽霊部員。
昼休みと言えど誰もいないだろう。