再会
カオルは胸を高鳴らせながら喫茶店のドアの前で立ちすくんだ
呼吸は荒く、中に入るのが怖かった。
窓越しに中を見てみると、男はアイスコーヒーを飲みなからマンガを見てくつろいでいた。
カオルは勇気を出して、喫茶店のドアを開けて中に入った。
心臓をドキドキさせながらアイスコーヒーを注文する。
そしてゆっくりと喫煙できる部屋のドアを開けた。
カオルは思った
(会って、なんて言えばいいんだろ)
カオルは止まると深呼吸をした。
ゆっくりと男の前まで行った。
カオルは男の前で立ちすくんでいると、男と目があった。
カオルに緊張が走る。
男は涼しい顔をしながらカオルに言う。
(あんた、どこかであったっけ)
カオルは顔を赤らめながら言った。
(あっ、あのさ、忘れちゃたかな
私の顔
二週間前の深夜、もう一人の女の子といてさ、強姦に襲われそうになったときにあんたに助けられたんだ。
覚えてない······)
男は少し考えてからいう
(あー、あのときのあんたか、
いや、覚えてるよ、あのときは大変だったな、もう一人の女の子は元気かい、かなりショックを受けてたみたいだけど······)
と言って、男はアイスコーヒーを飲んだ。
カオルは笑顔で言う。
(よかった、間だ覚えててくれて、
あのときは本当にありがとうございました。
あんたに助けてもらえなかったと思ったら、今頃、どうなっていたことか······)
と言って、カオルは心のそこから安堵した。
男はそんなカオルを見ながら笑って言う。
(あー、まあ、運がよかったな
あんた、今日は一人か、まー、立ってないで座んなよ······)
と優しく言う。
カオルは(ありがとう)といいながら席に座った。
2人はしばらく無言だった。
そのうち、男は言う。
(まだ、名前を聞いてなかったな、俺の名前はカナエヨシキってんだ、あんた、名前は······)
その言葉を聞いたカオルはその場に伏せて涙を流した······