その後
事件から2週間が過ぎた。
謹慎処分をくらっていたカオルとキョウコはやっと星蘭高校に復帰することができた。
朝の7時、駅前の喫茶店でカオルはキョウコとその彼氏であるキザキと待ち合わせをしていた。
7時5分を回ると、キョウコとキザキが仲良く手を繋ぎながらやって来た。
カオル
(おはよう、2人とも・・・・・・)
キザキ
(ようっ、久しぶり、元気してたか・・・・・)
キョウコ
(カオル、ハョウ・・・・・・早いね)
カオルたちは笑いながら喫茶店に入った。
ブレンドコーヒーを3人分頼むと、キザキは言う。
(おいっ、二人とも久しぶりにおごつてやるよ、なんかケーキでも頼みな・・・)
2人はマジとも思いながらカオルはチーズケーキをひとつ、キョウコはブルーベリーケーキをひとつ注文した。
3人は笑顔で、制服を着たまま堂々と喫煙できるガラス張りのドアを開けて入った。
4人用の椅子と大きなテーブルにつくと座り、おのおののタバコを吸った。
回りにはカオルたちの他に2人ぐらいしかお客さんは居なかった。
とくに店の店員も、客も嫌な顔もしてはいなかった。
そういった学生たちがよく来る喫茶店でもあった。
カオルたちはコーヒーを飲みながらしばらく無言でいた。
カオルはキョウコたちを見ていると温かい気持ちになりながら言う。
(それにしてもさ・・・・・・本当によかったね、2人とも・・・・・・、無事に仲直りできてさ・・・・・・)
キザキは照れながら顔を無言でそむけた。
キョウコはまんべんの笑顔になりながら言う。
(本当にありがとうね、カオル・・、
アンタのお陰だよ、私さ、いま本当にしあわせ・・・・・・)と言った。
3人は笑った。
それは久しぶりの笑いであった。
そして、カオルたちは事件の事を話し合った。
キザキは言う。
(しかしょ、ふざけやがって
よりによってカオルたちを狙うとはな
俺がいたらそいつら全員殺してやったのによ、まあ、二人とも本当に無事でよかったよ、二人とも分かってると思うが、もう、夜いくなよ、今後は助からないぜ)
そういってキザキはキョウコの手を優しく握った。
カオルは言う。
(ありがとう、キザキ、もう行かないよ)
キョウコはうるうるしながらキザキを見つめると、言う。
(大丈夫だよ、キザキ、行くにしても今度からアンタといくから)
カオルはそのイチャイチャに多少イラッときて言った。
(どういう意味それ)
キョウコは(えへっ)と言って笑う。
そんなキョウコをキザキは優しく抱き締めた。
カオルはニコニコしながら内心(この、馬鹿カップルが)と思った。
キザキは優しく抱き締めたまま、コーヒーのカップを取って、一口飲んだ後に言う。
(しかしよ、カオル、そいつらをぶちのめしたヤツて、本当にお前の好きだったヤツなのかよ。)
カオルは横の窓を見ながら悲しくい顔をして言う。
(正確には、分からない、だけどあの顔
昔の彼に似てた)
3人はしばらく沈黙した。
キザキは言う。
(しかしよ、もしソイツが違ってもスゲエヤツだな。
もしも会ったら礼を言わなきゃな)
カオルは言う。
(そうだね、会うことが出来たらね)
キザキも相当ケンカは強かった。
しかし、もしも3人同時にかかってこられたら勝てるのだろうか。
しかも、そんな状況で、
キザキは思わず身震いをする。
それからカオルたちはいろんな事を1時間半ほど話すと席をたち、灰皿とカップ、皿を持って、ドアを開けて、返却口に返すと、店を出ようとした。
3人が入り口と出口のあるドアにいくと
一人の黒いライダースーツを着た美男子の男が店に入って来た。
スレ違いさまにカオルが男の顔を見ると衝撃が走った。
カオル
(あっ、この人、あのときの)
カオルがキザキたちと駅へ向かうと心臓がドキドキしてきた。
駅に着くとキザキが電車の切符を3枚買ってくれた。
カオルはキザキに謝りながら言う。
(キザキ、本当にごめん、切符買ってくれたのに
私さ、急用思い出しちゃった
本当にごめんね)
キザキは言う。
(まっ、いーさ、カオル、学校来れたらこいよ)
と言って、キザキは笑いなから一枚切符を選んで、手でちぎった。
カオルは走って立ち去った。
キョウコは(カオル、急用か、まっ、いーか)
と言ってキザキの腕にてを回してイチャイチャした。
この時間帯は、様々な人たちが駅に向かっていた。
今日も通勤ラッシュが始まる。
空は曇り空になっていった。