別れ
ステーブン
「あっ、あんた、本当に行くのか、殺されるかもしれない
ぞ、それでも行くのか・・・・・・」
バルボアは笑いながら言う。
「ああ、これが俺の仕事だからな、確かにこいつとやり
合ったら死ぬかもしれん、だかな、俺はどこで死んでもイ
イと持っている、それくらいの心得がなければ勤まらん仕
事だ・・・・・ 」
ステーブンは言う。
「あんた、大切な人はいないのか・・・・・・」
バルボア
「ああ、この仕事をしてから誰とも付き合ってない、
悲しむ人は俺に入らない、そうでなければ、逆に俺のほう
が辛くなるからな・・・・・・」
ステーブンはバルボアの「いつ死んでもイイと」という言
葉に腹をたてて言った。
「ああ、確かにあんたはそれでイイだろうよ、だかな、
あんたが死んだら俺やジョアンナ、サリー、何よりも、
あんたを紹介してくれた、病院の先生が悲しむ、
そう言うことだぜ、あんた分かつてんのか・・・・・」
とステーブンは強い口調で言った。
バルボアは少し驚いて言う。
「ああ、そうだな、俺にも大切な人はいたよ、ありがと
う、だが、俺は必ず帰ってくる、信じてくれ・・・・・」
バルボアは感謝しながら言った。
ステーブン
「ああ、まったくだ、頼むぜ、本当、必ず生きて帰ってき
てくれ、そうしたら酒でも飲もう・・・・・・だが、
バルボアさん、ヤツが今どこにいるのかどうやって探すん
だ、手がかりになるようなものは他にないが・・・・・」
バルボアは言う。
「大丈夫、ヤツが今どこにいるのかは、霊視してわかっ
た。どうやらヤツは日本にいるようだ・・・・・・」
ステーブンは驚いて言う。
「に、日本、なでまた日本なんぞに・・・・・・」
バルボア
「ステーブンさん、秘密の予言がある、こんな予言だ。
地に埋もれし闇の王、目覚めん、世は混乱せん、されど
闇の世に一筋の偉大な光あり、小さな島国よりいでん、
光と闇の戦いは始まらん」
とバルボアは言った。
ステーブン
「なんのことだ、俺にはさっぱりわからんよ」
バルボアは言う。
「ああ、どうやらこういう意味のようだ。
封印されたアフリマンが甦るとき、この世は混乱の最中に
あって、大変だ。だが、小さな島国、つまり日本人の中に
神の力を持った光の存在があって、そいつとアフリマンが
戦うことになるだろう、てことさ。
秘密の伝承では、そいつのとを、魔界女王というらしい」
ステーブン
「魔界女王・・・・・・、すると、日本人の女か、じゃ
あ、まだ、俺たちには希望があるんだな・・・・・・」
バルボア
「ああ、ただし、どちらが勝つのかは知らんがね・・・」
そういって、彼は立ち上がった。
バルボア
「では、用件も終わったし、そろそろ行くよ・・・・・」
ステーブンはバルボアにちょっと待ってくれ」といった。
ジョアンナに知らせる。
ジョアンナはバルボアの前に立つとバルボアを抱き締めて
いった。
ジョアンナ
「バルボア、パパの仇をとって、・・それから・・・・」
バルボアは言う。
「それから・・・・・なんだ・・・・・・」
ジョアンナ
「それからね、必ず生きて帰ってきて、約束よ・・・・」
と言って右手の小指をだす。
バルボアは、左手の小指をだして、ジョアンナに言った。
「わかった、ジョアンナ、俺は必ず生きて戻ってくる、
約束だ。だからしばらく待っててくれ・・・・・・」
とかたい絆をジョアンナとした。
三人は玄関に行き、別れを告げる。
バルボア
「じゃあ、行ってくるよ・・・・」
ステーブン
「ああ、待ってるからな・・・・・・」
ジョアンナ
「バルボア、気を付けてね、日本に行くんでしょう、お土
産よろしくね・・・・」
バルボアたちは笑った。
バルボア
「ああ、二人に土産をかつてくるな、じあな・・・・・」
と言ってドアを開けて去っていった。
外は大雨か降り注いでいる、冷たい風が吹く日だった。