パパ、笑う魔性の猫
ドアが勝手にゆっくりと、カチャ、カチャ、と音がして
回った。
ステーブンとジョアンナはドアを見ていると静にドア開い
ていく。
二人とも恐怖で心臓が止まるかと思った。
ドアは開いたか誰もいなかった。
ただ、ギシ、ギシ、ギシと誰もいないのに人の歩いている
音を二人とも聞いた。ステーブンが思った。
ヤツか、ヤツが、来たのか・・・・・・」
ジョアンナは音のする方を見ていると、ボンヤリとした人
の姿が見えてきた。
そしてボンヤリとしたもののけ正体が分かった。
ジョアンナは涙を流した。
ステーブン焦る。
ステーブン
「ジョアンナ、おい、しっかりしろ・・・・・」
ジョアンナは指を指しながら言う。
「違うのあのねステーブン、音の正体がなにか分かった
わ」
ステーブンは言う。
「音、おい、ジョアンナ、この音の正体が分かったのか、
何なんだ、音の正体は・・・・・・」
ジョアンナは言う。「パパよ、ステーブン、目の前に死ん
だ、パパがいるわ・・・・・・」
ステーブンは、じジョアンナの言葉をうたがったが現実に
起きてる事を否定出来なかった。
ステーブンはジョアンナに言う。
「おい、ジョアンナ、お前見えるのか・・・・・・」
ジョアンナ
「うん、見えるし、声も聞こえるよ・・・・・・」
ステーブンはたばこを胸のポケットから取り出して一本、
吸った。
ステーブンは言う。
「ジョアンナ、パパは何て言ってるんだ」
ジョアンナは「ちょっと待って」と言って交信した。
数分するとジョアンナは、ステーブンに言う。
「あのね、ステーブン、パパ凄く苦しいって言ってる、
胸が痛い、痛い、て言ってるよ、・・・・・」
「本当に可愛そうなパパだわ、ステーブン、なんとかパパ
を救って・・・・・・」
ステーブンは思った。
「ジョアンナは、ジョンソンが心臓に小さな手の痕が付い
てる事を知らない、なのにジョンソンは胸が痛いと言って
いるか、どうやら本当にジョンソンのヤツが来てるのか」
ジョアンナの家に何故か日本にいるはずの一匹の黒い猫が
トコ、トコ、と歩いて玄関のドアの前で止まった。
猫は家を見ると満足げに笑った。
ステーブは恐怖心で、心がいっぱいだった。
確かに家に来ているのはジョンソンであるのだろうが、
なにも見えないし、聴こえない。呪いの人形の一件で、ス
テーブにも、この世界に霊的な存在がいる、ということは
何とか理解した。
しかし、霊的な存在はやはり恐ろしかった。
人はもしも、世界にそのような事が現実に存在していると
いうことが分かっても、やはりその存在に対してなにもで
きない事を知ったとき恐怖の対象とするだろう。
未知なる存在を認めるのは、誰でも怖い。
ステーブはどうしたらいいのかわからず、ジョアンナに言う。
「本当にいるのか・・・・・・」
ジョアンナはテレパシーで、ジョンソンと話していた。
ジョアンナは言う。
「ステーブ、パパがこう言ってる、ステーブ、俺は呪いの
人形に殺された、残された俺の家族の事を頼むっ
て・・・・・・」
ステーブは言う。
「安心しろ、ジョンソン、後は俺にまかせて天国へいって
くれ」
と、ステーブは祈りながら言った。
ジョンソン
「ステーブ、本当にありがとう、あとはまかせたよ」
て、パパがいってるよ、ステーブ・・・・・・、私からも
本当にありがとう、感謝するわ、心から」
と言ってジョアンナは泣いた。
ジョンソンはジョアンナを見て言う。
「ジョアンナ、パパはお前の事をいつもあいしているよ」
そういって、消えていった。
ジョアンナは、「待ってパパ、まだいかないで」と
大声でいった。
しかし、ジョンソンはもう、現れなかった。
ジョンソンは、家族の事を誰よりも愛していた。
ジョンソンはまだ、苦しんでいた。
この苦しみをどうしていいのか分からなかった。
そんな時、ジョンソンを呼ぶ声が聞こえた。
ジョンソンは声の導きに従うと、そこは日本のどこかの場
所だった。
ジョンソンが驚いていると、黒いネコが一匹現れた。
ネコは言う。
「ようこそ、苦しみ、さ迷える人の幽霊よ・・・・・・」
ネコ威厳に満ちた声で言った。
黒ネコは手で頭をかきながら、死んでしまったジョンソン
が来るのを待ってきた。
ジョンソンがネコの所にやって来るとネコは不可思議な目
という力を使い幽霊を見た。
驚いているジョンソンにネコは言う。
「うむ、やっと来たか、人の子よ、汝は何と言う名
か・・・」
ジョンソンは心底驚いた。
死んでしまった事もショックだつたが、まさか、生きてい
るネコと話すはめになろうとは・・・・」
ジョンソンは思った。
「このネコ、ちただのネコじゃないな・・・・・」と。
ジョンソン
「な、なんだ俺は、ネコと話している、化けネコ
か・・・・・・」
ネコはテレパシーで、話した。
「汝、名は何と申す・・・・・」
ジョンソン
「ネコ、まず、俺の名を聞く前に、自分から名のったらど
うだ・・・・・」と、言った。
黒ネコ
「これはすまぬな、失礼した。
我が名は、モーリス、偉大なる72の魔神の一人ベレトの
に使えるものだ。訳あって、転生し、今、ククトと言う名
でいる。汝をわざわざ呼んだのは、聞きたいことがあるか
らだ・・・・・・」
ジョンソンは驚いた。
「ジ・ジャパニーズキャトか、凄いな。
さすがに、腹切りの国だ。
まさか、化けネコがいて、喋るとは・・・・」と考えた。
この心の声はすでにモーリスに全部聴かれていたが、モー
リスは何とも思わなかった。
ただ、ばかかこいつ、いつの時代の事だ、常識の知らない
ヤツだと思った。
ジョンソンは言う。
「俺の名は、ジョンソンだ。いったい何の用だ・・・・・」
モーリス
「ジョンソンという名か、聞きたいことがある、貴様、
どうやって死んだ、いったい、何を見た。
ジョンソンは恐怖心に刈られながら言う。
「俺は、呪いの人形に殺された。
見たものというと、3つの黒い人魂だ・・・・・・」
と言う。
今度はモーリスが驚いた。
「3つ、3つだと・・・・・、魔王、アフリマン
か・・・」
ネコは「シャー」と一声吠えた。
ジョンソンはモーリスに聞いた。
「モーリス、いったい、あの人形と人魂は何なんだ、
あの化け物の正体を知っているなら教えてくれ、俺はなぜ
アイつらに殺されなければならなかった・・・・・・」
モーリスは少し考えながら答えた。
「ふむ、お前を殺した者たちの事を知りたいか、よいだろ
う、お前には知る権利がある、あのものたちこそ人間が悪
魔と呼んでいる者たちよ、お前を殺した者は、かって、
悪魔を崇拝する者のてで、人形に閉じ込められ、彼らに
魂を売った女性だ、もとはお前たち人間の霊
よ・・・・・」
ジョンソンは驚愕した。ジョンソンは言う。
「バカな、じゃあ、何か、人間が悪魔に魂を売って、人間
を殺してるってことか、俺はたまたまそこにいたから殺さ
れたって言うのか、狂ってる・・・・・・」
モーリスは言う。
「そうだ、ジョンソンよ、人間はつねに人間同士と争って
いる、それは、今も昔も代わりあるまい、毎回、犯罪が無
くなることはない・・・・・・」
ジョンソンは絶句した、確かに世の中の犯罪が無くなるこ
とはない、それが人間だからだ。
ジョンソンが無言でいると、モーリスは言う。
「しかし、ジョンソンよ、悪魔が存在すると言うことは、
神もまた、存在すると言うことだ。そして、太古の昔よ
り、神と悪魔は確かに戦っていた。
だが、魔を封印する力は破られた。再び戦いが始まろうと
しているのだ・・・・・・」
ジョンソンは思った。
「旧約聖書のヨハネ黙示録、ハルマゲドンが起ころうとし
ているのか、じゃあ、俺たちは、人間は、滅亡するのか」
そう思って絶望的な気分になった。
だが、モーリスは言う。
「いゃ、ジョンソンよ、まだ希望はある、魔界女王はすで
に、日本に転生し、戦いの時を待っている・・・・・ 」
ジョンソン
「魔界女王・・・・・・」
モーリス
「そうだ、彼らに対抗出来る唯一の存在だ・・・・ 、
転生し、その名を榊原かおるという・・・・・」
ジョンソン
「悪魔を倒すことが出来る唯一の存在、榊原かおる、か
ジョンソンはまだこの世界に希望があることを知った。