目に見えない侵入者
警察官はジョアンナを優しく抱き締めなから言う。
「よーし、よし、もう大丈夫だ、ジョアンナ。犯人は捕ま
えたからね、何も心配要らない」
ジョアンナはいきなり入ってきた警察官に向かって怒りな
がら大声で言う。
「なんなのよ、あんたたち、ステーブンを放して
・・・・」
警察官は呆気にとらえた。
警察官の一人が言う。
「ま、まて、ジョアンナ、落ち着け・・・・・・、混乱
するのはわかるが、もう、心配ない・・・・・・」
だが、ジョアンナは言う。
「あんたたち、誰なの、犯人てなんの事、なんでステーブ
ンをいじめるの・・・・・・
警察官は言う。
「あー、ジョアンナちょっと聞くが、その、君はこの男に
捕まったたんじやないのかい・・・・・・」
ステーブンは怒り狂って言う。
「おい、なんの事だ、誰が犯人だって、お前たち何か勘違
いしてるんじゃないのか・・・・・・」
ジョアンナが言う。
「ステーブンはパパの大切な友達よ、ステーブンに何か
あったら許さないんだから・・・・・・」
警察官は動揺した。
ステーブンは言う。
「おい、、おい、そこのお前、いつまでそんなものを突き
つけているんだ、それにな、重いんよ、
早く、どけ・・・・・・」
銃を突きつけている警察官が困った顔をしながら指示を仰
ぐ。
警察官の一人が言う。
リッド、バース、もういい、やめろ・・・・・・」
二人の警察官はステーブンを解放する。
ステーブンは立ち上がって、言った。
「さてと、どういうことか説明してもらおうか・・・」
警察官のニックが言う。
「いや、先程、学校の方から電話がありまして・・・」
ステーブンは「なるほどな」と思いながら言った。
「もしかして、電話をかけたのはアイリスてヤツか」
リッドが言う。
「いえ、電話をかけてきたのはルーランという方でした」
ステーブン
「ルーラン」
ジョアンナが言う。
「あ、その先生なら数学の先生だよ、待って、今電話で
聞いてみるから・・・・・・」
ジョアンナ
「アイリス先生、何か分からないけど、警察官が来て大変な
の・・・・・・アイリス先生」
電話の向こうでアイリスとルーランは冷たく固まってい
た。
ステーブンは言う。
「おい、ジョアンナ、まだ電話はつながつているのか」
ステーブンは鬼のような形相でいった。
ジョアンナはビクッとしながら答える。
「う、うん、まだつながっているよ、ね、ねぇ、ステーブ
ン怖いよ」
ステーブンはジョアンナの所に行って言う。
「ジョアンナ、ちょとすまんが、電話を貸してくれ」
ジョアンナはステーブンを怖がりながら受話器を渡した。
ステーブン
「ハイ、アイリス先生、俺は今殺されそうになっぞ、
どういうこ事か説明してくれ」
ステーブンは低い声でいった。
アイリスはビクッ、ビクッしながら言う。
「あー、ステーブンさん、そ、そのー、ち、ちょつとした
誤解なのよ・・・・・・」
ステーブン
「ほー、ちょつとした誤解で、俺は危うく殺されそうに
なったということか・・・・・・・」
ステーブンがゾッとしたような声で言う。
アイリス
「だ、だって、朝からあんな電話をしてくるんだもん、
ご、誤解したってしようがないじやない・・・・・・」
ステーブン
「あんたな、頭大丈夫か、それでよく教師がやれるな」
警察官のニックが言う。
「ステーブンさん、ステーブンさん、ちとっと・・・・」
ステーブン
「あっ、なんだい、今、電話中だよ・・・・・」
ニック
「あー、お電話中に申し訳ありません、ですが、今、学校
につながっているんですか・・・・・・」
ステーブン
「ああ、俺を殺そうとしたヤツと話している・・・・・」
ニックは言う。
「ステーブンさん、悪いんですが、私と電話を代わってい
ただけないでしようか、お願いします・・・・」
ステーブンはアイリスに言ってからニックに受話器を渡し
た。
ステーブン
「いいか、俺はアンタのことを訴えてやるからな、それと
もう一人、ルーランってヤツもだ・・・・・・」
アイリスは泣いてしまった。
警察官のニックが代わる。
ステーブンは椅子に大きな音をだして座った。
あごを右手でしゃくりながら3人の警察官をギロリ、と見て
いた。特に銃を突きつけた警察官を。
警察官はバツを悪そうにして、ステーブンの眼光を避けて
いた。
ステーブンはタバコを一本吸った。
それから10分以上たってからニックが電話を切った。
ニックは他の警察官を呼んで事情を説明した。
警察官は顔を蒼白にしていた。
ニックはまだ、まだ、怒りくるってるステーブンに事情を
説明した。
ニック
「すみません、ステーブンさん、どうやらアイリスという
女性の方が一方的に勘違いをしたようです」
ステーブンは笑いながら言う。
「どうやらそのようだな・・・・・・」
ニック
「しかし、ステーブンさん、これだけは分かってくださ
い、我々としても通報されたら動くしかないんです」
ステーブンは怒りくるっていたが、バカな男ではなかっ
た。
頭の中で整理し、彼なりの答えが出るとじょじよに冷静に
なって怒りをおさめていった。
ステーブン
「もういい、別にあんたらが悪いわけじゃない。
理解したよ、まだ何かあるかね・・・・・・」
ニック
「ステーブンさん、そうは言われてもすごく怒っていらっ
しやるでしよう、ところで、アイリスさんは訴えます
か・・・・・」
ステーブンが考えていると、ジョアンナが言う。
ジョアンナ
「ステーブン、アイリス先生の事、許してやって、私のタ
メにしてくれたの・・・・・・」
ステーブンはアイリスの事を思うと腹立たしく思ったが
本気で訴えようとは思っていなかった。
ステーブン言う。
「ああ、アイリス先生か・・・・・・俺が同じ立場だった
ら同じ事をしてるよ、別に訴えようとは思ってない」
ニックもジョアンナも安心した。
ニックは「わかりました、先程は我々が失礼な事をしまし
たすみませんでした」そういって警察官4人はステーブンに
頭を下げた。
ステーブンは「分かった」といい「出口はあっちだ」と
言って指を指した。
警察官たちは、失礼しますと言ってドアの方に歩き出した。
ステーブンに銃を突きつけた警察官が立ち止まり言う。
「ステーブンさん、あの、本当にすみませんでした」
ステーブンは笑って言う。
「アンタのやり方は正しい、犯罪者にはいい薬
だ・・・・」
と言って手を振った。
警察官は頭を下げて退室した。
終わるとステーブンはほとほと疲れた。
ステーブンとジョアンナが笑っていると、目に見えない何
者かが、ジョアンナの家の前で立っていた。
ステーブンは疲れかピークになってきた。
ジョアンナはステーブンを見ながら「今、何も言わない方
がいいわね」と思って椅子に座り黙ってテレビを見てい
た。
3時間後事件は起こった。
ステーブンはようやく目覚めると立ち上がって、冷蔵庫か
らコカ・コーラを取り出してふたを開ける。
ステーブンはビンをつかんで飲んだ。
胃のなかに染み渡った。
テレビを見ていたジョアンナが言う。
「ステーブンおはよう、ぐっすり寝てたね・・・」
ステーブンは「ああ、よく寝たよ、まったく、今日さんざ
んだだったな、やれ、やれだ」
そういって笑った。
ジョアンナは再びテレビを見ながら言う。
「でも、ステーブン、こんな可笑しいこと滅多にないね」
ステーブンはため息をついて言った。
「まったくだ、滅多にないな、まさか警察官に銃を突きつ
けられるとは思っても見なかっぞ。今日はこれ以上勘弁し
てくれ・・・・・・」
と言ってあくびをした。
ジョアンナは、笑顔で言う。
「そうね、結構楽しかったわ次々といろいろな事が起きる
とだもん、可笑しくなっちゃった、でも、もうないよ
ね、もっと、あればいいのに」
ステーブンは笑いながら言う。
「おい、おい、ジョアンナ、さすがにもう、勘弁してくれ
よ、これじゃあ、生きた心地がしない・・・・・・」
そう、ステーブンが面白そうに話すと、ジョアンナは
ゲラ、ゲラと笑った。
ステーブンは笑うジョアンナを見て心が落ち着いた。
ステーブンはちょとトイレに行ってくる、といって席を立
つ。
「ジョアンナは、心底面白かったわ」と思いながらテレビ
を見ていた。
その時、玄関のベルも鳴らさないでドアが開くおとが聞こ
えた。
ジョアンナの心が不安と恐怖に満ちてきた。
ジョアンナは、思った。
「やだ、今度はなに、ステーブン早く来て・・・・・」
だが、ステーブンには何も聞こえなかった。
それはステーブンが疲れていると言うことではなかった。
開いたドアの方からゆっくりとした足跡が聞こえる。
ジョアンナに旋律が走った。
ステーブンが帰ってくると、ジョアンナの様子を見て言
う。
「おい、ジョアンナ、どうした」
ジョアンナは、指を立てて「シーッ」と言う。
「ステーブン、大変、誰か来る