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セロは目眩に襲われ目を閉じた。
そして、開けると世界は火の海になっていた。
「あ、気づいた?」
すると十三が近くで黒く焦げている誰だかわからない生徒たちに左手でさわっていく。
「なにをしているんだ?」
「僕も一応ヒーロー科だからね」
十三のその言葉と同時に焦げた生徒の傷がいえていく。
「あ……」
きれいな姿になったのはジルだった。
「なんだ?なにがあった?」
ジルが十三の方を睨む。
「説明はあと……」
十三はそういって近くの黒焦げの生徒に触れる。
すると姿は、ベルの姿へと変わる。
「あああ。身体が燃える!!!」
ベルがそう言って泣き叫ぶ。
「大丈夫だよ」
十三がそういうとベルは我に返る。
「え?」
十三はベルの不安を和らげようと少しだけ笑った。
「じゃ、この子はジャギくんかな?」
十三がそういって黒焦げになった生徒に触れる。
「ちげぇよ」
するとジャギがストンっと現れた。
「なんだ?お前は無傷だったのか?」
「ん?」
ジャギがジルの方を見る。
「お前も力が溢れてこないか?
変な夢を見てよ。
爺さんが言ったんだ。
『力が求めるか?』って……」
「んなもん即決だろ?」
ジャギが小さく笑う。
「ああ!だろ!」
ジルが嬉しそうに笑う。
ただジャギの表情は切なそうだった。
「じゃ、よよよっと!」
十三は左手で生徒の傷を癒やした。
「あ……」
名前も知らない生徒だった。
「大丈夫?」
「あ。はい!ありがとうございます!」
少女が嬉しそうに笑う。
「いえいえ」
十三がそういって小さく微笑む。