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「トントントンツーツーツー……
トントントン。コールエスオーエス」
女性の声が聞こえる。
「ああん?SOS信号?」
男がウザったそうに声を上げる。
「どうした?ジル?」
別の男がそういってジルと呼ぶ男に近づく。
「今、女の声が聞こえてよ。
SOSを出しているんだが……」
「そうなのか?」
「ああ」
「助けるのか?」
「いや、声が可愛かったからさ。
タイプの女なら犯してから殺そうと思ってさ」
ジルは嬉しそうに言った。
「トントントンツーツーツートントントン」
女はそんな状況など知らずにSOSを出す。
「本当だな。
可愛い声だ」
男もジルの意見に賛同した。
「じゃ、いっちゃいますか!」
「……まぁ、俺はパスだ」
男はジルのそういってその場を離れた。
「全く、そんなんだから童貞なんだよ」
ジルはそういって神経を研ぎ澄ませ女の声から場所を特定し見つけた。
「トントントンツー。あ……」
女は一瞬嬉しそうな表情をした。
「お、やっぱ女発見」
「た、助かった!?」
女は嬉しそうにジルの顔を見る。
「そうだな。お前は天国に逝く。
そして、落ちるのは何処だろうな……」
「え?」
女はジルがなにを言っているかわからない。
「さぁ、脱ぐが破られるかどっちがいい?」
ジルの声が低く響く。
「え?」
しかし、ジルは女の返事を待つことなく強引に押し倒した。
そして、残るのはぐったりと横たわる女と満足そうに微笑むジル。
するとそこに一匹のオーガが現れる。
「なんだ?テメェは?」
「俺……?ガイル」
ガイルと名乗るオーガーは、物欲しそうに女を見る。
「なんだ?やりたいのか?お前も……?」
「やる?」
ガイルは、首を傾げる。
「ははは。
教えてやんよ。楽しい楽しい遊びをよ!」
ジルは、嬉しそうに笑う。
「モトフミさま、ガイルは外道に回収されたようですね」
フィサフィーが嬉しそうに笑う。
「ああ、はじまるぞ。
そして全てを終わらせる」
モトフミが笑う。
フィサフィーとモトフミは離れた場所でその光景を見たあと遺体となった女を回収してその場を去った。