03
「遅刻したら、アンタのせいだからね!」
溜め息混じりに、瞳が言う。
「口を動かす暇があるのなら、足を動かす!」
すると瞳は、僕のお尻にキックをしてきた。
「おわっと」
僕は、バランスを崩してそのまま前に倒れる。
「きゃ……」
すると見知らぬ女の子を下敷きにしてしまった。
「す、すみません」
僕は、すぐに立ち上がるとその女の子に謝った。
女の子は、きょとんとした顔で僕の方を見ていた。
「あ、あの怪我とかはありませんか?」
女の子は、首を横に振った。
なんか気まずいな。
瞳は、僕と女の子を交互に見ている。
うーん
うーーん
うーーーん
改めてみるとその女の子は、見知らぬ制服を着ていた。
よし!
逃げちゃえ!
僕は、全速力でその場を去った。
瞳も、そんな僕を追いかけるようについてきた。
「コラ、逃げるなQQ」
「そう言う自分も逃げてるじゃないか!」
僕たちは、走った。
とにかく走って、走って走りまくった。