第七話
「ここまでの事実関係はみんな見ての通りなんだけど、セクハラの根拠を実地で示してもらうよ。その邪魔な手ブラモードを解除してよ。」
「「「こんな場所でできるか!」」」
「どうせ女子しかいないんだから、いいじゃない。減るもんじゃなし。『ゴクリ』という生唾嚥下音が聞こえたけど、スルーするよ。オヨメ姉ちゃん。後で制裁だよ。」
「桃羅。ちょっと待ってくださるかしら。これには深くない不覚な訳が。」
「それはすごく深いわよ、マリアナ海溝よりもね。ゴゴゴ。」
オヨメ姉のモデルとなっている楡浬と教師桃羅から凄まじいオーラが湯気となって可視化している。
「それじゃあ、大公開後悔裁判するよ。手ブラ、グランドオープン!」
「「「し、仕方ない。ままよ!直撃ポロリだ!」」」
三人寒女が一斉に万歳のポーズ。
超絶可憐な星が輝いた!と誰もが思ったが、そこには存在感なし。
「引っかかったね。ほら、全部肌色だよ!」
「なんだとぉ?たしかに、恥ずかしいパーツが露呈していないよぉ。」
福禄寿が首の下を見るが、すべて同色である。
「よく、よ~く見てね。ちゃんと、ブラの下に肌色ペイントしておいたからね。パーフェクトに防御されてるよ。これであたしは無罪放免。ワハハハ。」
こうして、三人寒女に対する裁判は弁護団の主張は、幻にすらならずに終結した。