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第六話

福禄寿は、比較的小さい腕面積でカバー可能な状態であり、他の神様牛に比べて喋る余裕があった。

「美術の授業で、モデル役になれば、こんなセクハラ水着で、しかも絵も描けなくて零点だなんて、やってらんないと言いたくなるぅ。でも言えないことが悔しいぃ。ホント、神様人生を全うする意欲が削がれるよぉ。」
福禄寿はポーズを取りながらもずっと不平不満の垂れ流しであった。しかしそれだけでなく、隣りにいる寿老人の超セクシーな水着姿を、ガン見しながらヨダレも垂れ流ししていた。寿老人はごく平凡胸な福禄寿と違い、ダイナマイトボディである。

「ちょっと、福禄寿よ。このババのからだをそんなに見るでない。は、恥ずかしいぞ。」

「やっぱり若いっていいねぇ。すごく張りがあるよぉ。ロリっ娘なのに、からだはすごく大人というギャップが性的アドレナリン増強剤になるよ。」
 福禄寿の一本のツンツン髪が頭頂部で元気そうに屹立している。

「セクハラやめるんじゃ~!」

「いやよ、いやよはスキのうち改革だよぉ。耕すのは、おふくだよぉ!」

「うわ~ん。おふくちゃんの浮気者!どうしてウチだけを見てくれないどす。ボディの凄さならばウチは誰にも負けんどす。ホラホラ。ボヨヨ~ン。」

自慢の鏡餅を左右に揺さぶって、脂肪埋蔵量を誇示する大黒天。周りの貧乳神様牛は溜め息を漏らすばかりだが、そんなことはお構いなしの大黒天。

「ダイコクちゃん。あっち行ってよぉ。やっぱり気持ち悪いよぉ。過ぎたるは及馬鹿猿回しだよ。げぼー!」
またも床にタネをぶちまけた福禄寿。美術室内の空気が酸っぱ臭くなった。

「うえ~ん。おふくちゃんにふられたどす~。」
顔を覆いながら、からだを動かすと、美術室が大きく揺れて、倒れ込むモデルと女子生徒が続出した。
生徒同士が助け合いして、美術室内がようやく落ち着いた。教師桃羅が眉間にフォッサマグナを造成して、福禄寿たちを指差した。

「三人寒女の神様牛。あんたたちの悪行、断じて許すまじだよ。これから罰ゲームをやってもらうから、ワクワクドキドキ夢想しながら待っててね。夢はつらい現実からの逃げ場だということを思い知るからね。」

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「やれ、やれ、やれ、やれ!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

シュプレヒコールがこだまする中、教壇に立たされた三人寒女。互いに背を向けて、三角型に腕を組んで並んでいる。そこに両腕をカマキリのように上げたポーズの教師桃羅が迫る。教師桃羅は、『シャー!』と唸って、腕を左右に振り下ろした。

『『『ハラリ、ハラリ、ハラリ。』』』

三人寒女の上の水着がしなびて床に転落した。個性的な2×3個の大小丸いドームがポロリ。

「「「「きゃああああ~!」」」
三人寒女の悲鳴がシンクロしながら、美術室を周回した。三人寒女は胸を隠してうずくまっている。
「いくら馬主人でもこんなこと、許されないよぉ。セクハラで訴えてやるぅ!」

「うん。受けて立つよ。じゃあ、この場で裁判しようか。」

ノーブラの三人寒女は教壇で教師桃羅と対峙した。
教師桃羅は笑みを浮かべながら喋り始めた。

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