バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

2


大きくて丸瞳、サラサラとした黒髪。綺麗な肌。プリッとした唇。

華奢な体。膨らみかけの胸。香ばしそうな臀部。か細い脚。



僕の中で声が聞こえる。一人の声じゃない。複数の声。



僕以外の6人の声。




_あぁ。雪菜。

_愛しい雪菜。


_君の腕をもぎたい


_君の腸(はらわた)を裂きたい


_君の苦しみに歪む姿を見たい





声は徐々に6つの、それぞれの人格を伴った主張へと変わっていく。







_どう殺す?俺は殺せれば良いぞ。やりかたは決めてくれ。

やめろ!




_絞め殺そう。醜い姿にこそ生命本来の美しさが備わる。殺人とは美だ。私に言わせれば、美しくなければ死に意味はない。

やめてくれ!





_いやバラバラに切り刻もう。そして食べるんだ。彼女と一体化すること。真の愛とはそういうもの。きっと美味しいに違いない。

出て行け。僕の頭の中から出て行け!!






_面倒だ。撃ち殺そう。ただの女。それ以上の価値はない。質よりも量だよ。

雪菜は特別だ。殺すなんてとんでもない!







_どっちでも良いよ。僕は僕。殺しても良いし、殺さなくても良い。

良くない良くない。殺しちゃダメなんだ!!








_なるほどいろいろ意見があるものだな。だが俺は、全部試してみても良いと思う。何度も何度も殺せば良い。

ふざけるな!ふざけるな!







頭の中の声は響き続ける。僕のものじゃない。いや、僕のものか?僕?俺?わたし?


そうだ。紛れもなく僕、七原一真の頭で考えている言葉だ。


でも、僕は違う。



僕は雪菜を殺したくはない。


_嘘をつけ。お前が一番殺したがっているんだ。

しおり