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「一真は皆と違うよね。だから一緒にいると安心する。」
そう言って、はにかみながら笑う雪菜を、
僕はジッと見つめる。
「な、なに?」
真っ白な頬がほんのりと赤く染まっていた。
「どうしたの。大丈夫?一真。」
頭の芯がボーとする。まったく違う人間が僕を動かしていてその映像だけを見ているような感覚。
僕は何も言わずに雪菜の方に手を置いていた。自分の顔を近づけていく。
自転車に乗って通り抜けた中年の男性が興味津々そうに僕たちを見ていた。
「ちょ、ちょっとダメだって。こんなところで。」
戸惑った声を出す雪菜。彼女の冷たい手が僕に触れた時、
僕はハッと俺は我に返る。
「ご、ごめん。」
今、何をした・・?
僕は自分の行動を思い出す。まさか雪菜の前で”発作”が起きるなんて。
「一真・・?」
不安そうに雪菜が僕を見つめる。サッと血の気が引いた。
気づけば僕は、雪菜を残してその場から走って逃げてしまったいた。
自己嫌悪のまま家への道を走る。
先ほどから「ある考え」がずっと頭の中を占めていた。それはまるで耳元で叫んでいるかのように大きな声をとなって僕に聞こえてくる。
_あぁ。雪菜。
_愛しい、愛しい・・・雪菜。
_僕は、君を殺したい。