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アーサー王と円卓

 石から剣を抜き、正統な王となる権利を得たアーサーだったが、もちろんそれだけで王座に就くことを認めない者は多かった。
 彼は15歳の若造、それも騎士ですらなかったためである。

 マーリンの力だけでは足りず、多くの王侯貴族や騎士を味方につける必要があった。

 手始めに、彼の支持者の1人であるレオデグランス王の娘グィネヴィアと結婚した。

「王よ、グィネヴィア姫は王妃に相応しくありません」

「何を言ってるんだ、マーリン。彼女は王族だよ」

 マーリンの「いずれ不運を呼び込む」という警告を振り切ったアーサー王だったが、この予言はいずれ当たることになる。

 彼女の嫁入り道具である円卓のもとに、多くの強い騎士たちが集まった。

 彼らは円卓の騎士として、皆対等に扱われた。
 彼らは勇敢に戦い、後の伝説でも主役の座を与えられていくことになる。

 だが、栄光は長く続かないのが世の常。
 光が強ければ強いほど、生み出される影は濃くなりいずれ闇となる――。

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