第4話:紹介
「で、これはどういう事アルね?」
「雄太君~、私は雄太君とお話したいのにぃ~」
「雄太、この男子たち何なの?」
ケント含めクラスの男子たち実に十人と一緒にファミレスでお茶をすることとなった。
僕はリンやフランソワーズ、エンデルシアに話をしてファミレスでお茶しないかと誘うと二つ返事でやってきた。
そして男連中を見ると僕の首根っこをつかんで裏でこそこそとそう聞いてくる。
「どういう事も何も、みんながリンやフラン、シアとお近づきになりたいって言うからさ」
「ほほう~、雄太はそれで何か良い事でもあったアルか?」
「え~、私は雄太君とだけお話しできればいいのに~」
「雄太、それ本気で言ってるの?」
こそこそとそう答えると、なぜか三人はどんどん機嫌が悪くなってくる。
「ゆ、雄太、皆さんどうかしたのか?」
「あ、いやケント何でもないよ……」
そう言って三人から離脱すると三人も渋々席に着く。
そしてわかりきっている挨拶をすると、三人はそれはそれは社交的な笑顔を見せながらみんなと会話を始める。
この時点で僕はいる必要ないんじゃないかと思って、ドリンクバーに行こうとすると、エンデルシアが机の下で僕の太ももをつねる。
「え、えっとシア、何かな?」
「雄太、私の飲み物もお願いね」
ぎゅう~っ!
「うっ、わ、わかったよ。何が良いの?」
「あ、雄太君私も~」
「雄太、私もアルね! プーアール茶お願いアルね!!」
エンデルシアに強くももをつねられてとても痛い。
でもまぁ、確かに三人には何も言わずに呼んだのは悪かったかもしれない。
ケントたちからは学食券一週間分で買収されたことは絶対に秘密だ。
僕は三人のおかわりのコップを持って立ち上がる。
そしてため息を吐きながら、ドリンクバーで三人の飲み物を調合する。
エンデルシアはカフェラテだけど、クリームを二つ入れて多めにするのが好きだ。
フランソワーズはミルクティーだけど、甘さ控えめが好きだから砂糖はスティックの半分にする。
そしてリンは冷え性だから、プーアール茶はホットで。
しかも熱々が好きだからカップを湯煎してから急須と一緒に持ってゆく。
それを三人の前に置くと、なぜか機嫌がよくなった。
おかげで男子たちとの話も盛り上がった。
まったく、相変わらず僕はこのウザい三人に振り回されるのだった。