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「近々言おうと思います!」
そうだ。わたしは春香に伝えたい。聞いてほしい。先の事ばかり考えて怖がるな。
「聞いてないわね」
「よし!じゃあわたし帰って、シミュレーションしますね!」
「・・・ああ、そう。シミュレー・・・」
「ではまたッ!気をつけて帰ってくださいね!」
車を降りて、意気揚々と部屋へ向かった。
そうだ。わたしは言うんだ。やっと、言える日が来たんだ。
今までのわたしなら、絶対こんなふうには思えなかった。早坂さん達との出会いが、わたしに変化をもたらした。それはきっと泳斗くんも同じで──わたしはもっと、自分に自信を持ちたい。
「あら、今日は振り返ってくれないのね」
その日、早坂さんが車の中で寂しげに呟いていたのは、知る由もない。