5
「言っとくけど、わたし拾ってもらってすぐ移動するから挨拶とかいらないからね」
「はあー?なんでよ、別に一言挨拶するくらいいいじゃない」
「一言の挨拶で済まないでしょ。アナタの場合は!」
「じゃあ俺も挨拶しよっと」
「・・・だから、なぜに?」
ここで、来店を知らせるドアベルが鳴った。
「いらっしゃいませ〜」
── 開店して間もないのに、ドッと疲れが押し寄せる。これは、待ち合わせの場所を考えるべきだな。
少し考えて、すぐに頭から消去した。
夜中に女の子が1人で歩いちゃダメよ!という脳内早坂さんの言葉によって。