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俺自身の行動

しかも、その子は明らかに敵意を向けてきているように感じられる上に今にも襲いかかってきそうな雰囲気であったため、
危機感を覚えた私が身構えたところで声を掛けられたことで少し冷静になれたものの、
それでもなお警戒を緩めることなく相手の様子を伺っているところに、突然別の方向から話しかけられたことで完全に意識を
そちらに向けざるを得なかった隙を狙っていたのだろうか、目の前の人物が距離を詰めてきていることに気づいた時には、
すでに手遅れで、避ける暇さえなく捕まってしまい身動きが取れなくなってしまっていたその時であった。
誰かが助けてくれたような気がしつつ視線を上げるとそこには、あの少年が立っていたではないか、
助かったと思ったが安心するのはまだ早いとばかりに彼の方を見つめると何やら険しい表情をしていたように思うと同時に
その理由を考えようとしたが、それよりも先に状況を把握するべく周囲を見回してみると明らかに様子がおかしいことに気づいてしまった。
なぜなら皆一斉にこちらを見ていたのだがその視線からは殺意のようなものを感じ取ることができたため恐怖を感じたのであった。
それと同時に自分がとんでもない所に来てしまったことを自覚した瞬間だった。
(怖い、助けて誰か)
そう思い声を上げようとしたその時であった。
突然誰かに抱き寄せられるような感触がしたことで驚いて見上げる。
そこには見知った顔があった事でホッとしてしまったが、
直後に周囲から怒号のようなものが聞こえてきたことに気づいた途端今度は
不安に押し潰されそうに なって思わず縋りつくような恰好を取ってしまったものの、
それでも何とか堪えようとすることにしたのだ。
そんな姿を彼が見ていたことは知るよしもなかったわけだが、
それはさておき彼に見守られているということを自覚したことで安心することができたのか、
少しずつではあるが落ち着きを取り戻すことができた私は深呼吸をした後に改めて
周囲の状況を観察することに切り替えることにしたのだった。
だが、その際に湧き上がってくる感情を抑えることがどうしても
出来ず涙が溢れ出すのを止められなかったのである。
そんな彼女を無言で抱き締め続けていた彼の腕に力が入り苦しいくらいに
まできつく抱き寄せられてしまったことで息苦しくなってしまうのだが、
同時に安心感を得ていたため次第に落ち着いていくことが出来たと同時に、
改めて状況を整理する為に頭を働かせていくことにしました。
そうなるとやはり目立ってしまうことでしょうし、そうなると俺の責任になってしまいます。
そうなると、良くても様々な出禁だ。
と考えてしまった事で徐々に頭の中がクリアになっていく感覚を覚えると共に
冷静さを取り戻しつつある中で一つの結論を出しました。
ここは開き直って堂々と行けばいいだろう。
せっかく初めてのお祭りなので思いっきり楽しむことにします!
まずは食べ物系の屋台から攻めることにしましょう。
そう思って見回りを続けていたところ見つけたのが、
クレープ屋さんだったので早速買って食べたところで思わぬ事態に
直面してしまう事になるとは全く予想もしていなかったと言うしかないでしょう。
買い物をすませたら散策も兼ねて街を練り歩いていると、
美味しそうな匂いが漂ってきたことで惹かれてしまった俺は直ぐにそちらに向かうことにしたのだが……。
あの匂いに釣られるように向かった先では案の定、大きな広場があったのでそこを
目指そうとしたものの人混みのおかげで中々思うように進めなくて困っているところに、
救世主とも言える存在が現れてくれたおかげで無事に目的地に到着することが出来たのだ。
しかも、その人も屋台で買い食いしていたようで、意気投合した俺と彼女は
しばらくの間話し込みつつたこ焼きを食べ続けていたんだが、
ここでようやく彼女の正体を知ることになったのだった。
(改めて見てみるとあれだな、意外と整った顔をしてて格好いいじゃないか)
そう感じた俺は思わず見惚れてしまいそうになったが、
どうにか踏みとどまることが出来たことを褒めて欲しいと思うくらいだ。
実際そんな事をされたら恥ずかしくなるしなと思いながらも少しだけ安堵していると、
突然手を握られたばかりか引き寄せられるような気配があったので咄嗟に
離れようとしたところ引き止められてしまったわけだが、
どうしてそんなことをされたのか理由が分からなかった為首を
傾げていると彼女に名前を尋ねられたことによる戸惑いと恥ずかしさから黙り込んでしまっていると、
何かに気づいたかのようにハッとしたかと思うと慌てて手を離した後で謝罪の言葉を
述べていたので気にしないで下さいと返した後のことなのですけど、
その後も微妙な空気が流れることになったんです。
話題を変えるべく、これからも宜しくお願いしますとお礼の言葉を
伝えることくらいしか出来なくて気まずくて仕方がない。
どうにかしてこの状況を打開する方法は無いものだろうかと考えを巡らせていると、
ある妙案が浮かんだ。
「そうだ、 二人で一緒に行動しよう」
そう提案したところ彼女は快く承諾してくれたのでホッとしたものの、
よくよく考えてみるとこれってデートみたいじゃないか?
そう思った途端恥ずかしくなってきてしまったが、今更引き返すわけにもいかず覚悟を決めることにした。
それからというもの、二人で色々な場所を回ることになったわけだが、
特に問題が起こることもなく順調に進んでいたように思う。
ただ一つだけ気掛かりだったのは彼女が時折何かを言いたそうにしているように見えたことであるのだが、
結局最後まで聞くことが出来なかったのである。
そんな時のことだった、突然彼女が立ち止まったかと思うと真剣な表情で見つめてきたんだ。
そしてゆっくりと口を開いてこう言ったんだよ。
「私とお付き合いして下さいませんか?」
それに対して俺はこう答えたんだ。
「喜んで」
こうして俺たちは付き合うことになったのである。
それからというもの、毎日が楽しくて仕方がない日々が続いているわけなのだが、
一つだけ困ったことがあるとすれば、彼女が積極的すぎるということだろうか?
例えば、デートの時は腕を組んできたり、キスをせがんできたりと色々あるのだが、
流石に人目があるところでは控えて欲しいと思っているのだが聞いてくれないんだ。
「別にいいじゃないですか、どうせ見られてないんだし、それとも恥ずかしいんですか?
大丈夫ですよ、誰にもバレませんって、ほら、もっと近くに来て下さいよ」
などと言いつつ顔を近づけてくるものだから困ってしまうわけで、
だからといって拒むわけにもいかないためされるがままになっているわけなんだが、
そろそろ止めてほしいと思ってるくらいなのだ。
何せ最近は毎日のように求めてくるようになってしまったので本当に困ってるんだよ。
それに、この間なんて一晩中離してくれなかったせいで寝不足のまま狩りする羽目になったわけだし、
おかげで体調が悪くなってしまったし散々だよ全く。
まあ、それでも可愛い恋人の為なら仕方ないかなって思ってたりするんだけどね。
そんなわけで今も隣でぐっすり寝ている彼女を起こさないように、
そっとベッドから抜け出して着替えを済ませると外に出ることにした。
向かう先は勿論ギルドである。
今日はどんな依頼があるのか楽しみだなぁと考えているうちに
到着していたので早速中に入ることにする事にした。
受付の女性に話しかけたところ、どうやら依頼を受けたいわけではないらしく、
単に暇潰しに来ただけらしいという事を知ったことでガッカリしてしまう事になったが、
それでも気を取り直して話を聞くことにしたんだ。
なんでも最近この町の近くに強力な魔物が出現したらしいということで、
注意するようにという警告を発しているらしかったのだが
俺にはあまり関係の無い話だったため適当に聞き流していたのだが、
ふと気になった事があったので尋ねてみることにしたのだ。
それは何故なのかということであったが、その答えは至って単純なものであったため拍子抜けすることになった。
というのも、この街から北に行くと深い森があり、その中には強大な力を持つ魔王が住んでいるという噂があるのだとか、
その為下手に刺激して被害が出る前に対処しなければならないということであるらしいのだ。
つまり早い話が俺に行けということだと言われた時には正直勘弁してくれと思ったが
断ることも出来ず渋々引き受けることになったわけだが、その代わりに、
報酬はたっぷりはずんでくれるという話だったのでやる気が出てきたというものである。
我ながら現金な性格をしているとは、思うもののお金に罪はないのだからいいじゃないかと思うことにしたのである。

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