復讐したい
「ねぇ、覚えてる？ あなた、祟りとか死者の怨念なんて、あるわけないって生前言ってたんだけど？」
「そりゃ、生きてるときは、そう思ったさ、けど、殺されて、このまま黙って成仏なんてできるかよ」
「そうよね、あいつらがあたしらの保険金を手に入れてウハウハしてるのを見てるだけってのは面白くないわよね」
「だろ？」
「けど、どうやって祟るのよ。幽霊なんて普通の人には見えないし、体がないから何も持てないし」
「そ、そうだよな。映画の怨霊って、簡単に人を殺してるけど、映画と現実とじゃ違うよな」
「そうよ、どうすんの」
「ああ、悔しいな、どうしよう」
「今の恨めしそうなあんたの顔、見せられたら、あいつらをショック死させられそうね」
「怨霊っぽくなってるってことか？」
「顔だけね」
「なんか、傷つくな、それ」
「で、どうするの？」
「何か考えるさ、時間は死ぬほどある」
