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恨み雨

「最近、あんたに会うとき、いつも雨降ってない」
「梅雨だからしょうがないだろ?」
「あんたを恨んでる女が、あんたの周りにやまない雨を降らせてるんじゃない」
「やまない雨ってなんだよ」
「あんたへの恨みが涙じゃなく雨となってあんたの周りに降ってるかもってこと」
「なんだよ、そんな怪談あるのかよ」
「そうよね、あたしも知らない。でも、あんたなら、そういうのありそうって思ったの」
「ふん、上等じゃねぇか、俺は女に恨まれるほどモテるってことだろ。モテる男は嫌いか?」
「いいえ、大好き」
「だったら、ちょっと雨が降るぐらい気にするなよ」
「そうね、やまない雨が続いて洪水が起きてあんたと一緒に流されて二人っきりで死ねたら本望かも」
「なんだ、恨みじゃなくて、お前の願望の雨か」
「そうね、あんたと一緒に洪水とかで死ねたら、私は一生、あんたと一緒になれる、最高かもね」

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