自首
「バカ野郎、もう少しで、捕まるところだったじゃねぇか」
「で、でも、やっぱ、人殺しはやり過ぎだよ」
「でも、大規模な山狩りをやって何の遺留品も見つかってないんだろ、だから、こうして無罪放免だ」
「お前、まさか遺体を別の場所に・・・」
「いや、きっと生きてたんだよ、袋叩きにして、やっちまったと思って、俺たち慌てて山奥に捨てたけど、生きてて自力で助かったんだろ」
「でも、遺体は見つかってないけど未だ行方不明だって警察が・・・」
「きっと、俺たちにビビッて隠れてるんだろ」
「じゃ、まだこの近くに遺体が・・・」
「だから、警察が探して見つからなかったってことは、どこかで生きてるってことさ」
「・・・そんなことあるわけないだろ、あれだけ血を流してたし、腕や足も折れてたようだし・・・」
「とにかく、遺体は見つからなかった、だから、殺人事件は成立しないと無罪放免になったから、もういいだろ。仲間を警察に売ったビビり野郎が!」
「お、おい、何を・・・」
「仲間を警察に売るような奴を生かしておくかよ」
「や、やめてくれよ」
「あの、おっさんも同じようなこと言ってたか、おっさんひとりだと寂しいだろうから、お前も、ここに捨ててやるよ」
「うわぁっ!」
「死ね」