オンライン呪殺
「そこに殺したいヤツの名前を入力すると、即呪い殺してくれんだってよ。しかも、無料だってさ。ちょっとお前、自分の名前を入力してみろよ」
別にいじめのつもりはなかった。授業と授業の間の休み時間のちょっとしたおふざけのつもりだった。
「や、やだよ」
「大丈夫だって、何も起きないって、ちょ、貸してみな」
俺はそいつから携帯を取り上げて、代わりに名前を入力して送信してやった。
が、数十秒過ぎて何も起きなかったので、携帯を返してやる。
「ほら、よ。何も起きなかっただろ」
俺はビビりのそいつを嘲笑っていたが、そいつは急に胸を押さえ苦しみ出した。
「おいおい、下手な演技はやめろよ」
最初は俺を驚かそうと演技していると思ったが、バタンと床に倒れた姿は、どう見ても異常で、俺は慌てて倒れたその身体を揺すった。
「お、おい、大丈夫か」
だが、そいつの身体は異様に重く、返事もなかった。
「お、おい、悪ふざけは、やめろよ。お、俺が、悪かったから、起きろよ」
そいつは、そのまま死んでいた。救急車が呼ばれたり、先生に状況を詳しく説明したり、大変だった。しかも、俺がいじめてそいつを殺したという噂になって学校中に広がり、俺は殺人犯扱いの視線にさらされ、数日後、そいつの母親が、あのサイトに俺の名前を入力したらしく、俺も胸に痛みを感じて死んだ。