人の形
それは人の形をしたごみだった。ポイ捨てされたペットボトルや、コンビニの袋、コンビニ弁当の空容器などが集まって人の形となり、文字通り人ごみとなって動いていた。しかも、それらは人を襲い始めた。ただのごみの集合体なので、叩いたり、蹴ったりしてもひるまず、燃やしても、火だるまのまま人に襲い掛かり、人間ごと燃え尽きた。
人間の出すゴミの量は多く、それらがすべて、生き物のように人の形になって人間を駆逐し始めたのだ。どんどん人口が減り、人が減った分ごみも減り、人ごみも減っていき、不法投棄の減った町は人口が減った分奇麗になった。