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番外編⑤☆だから言ったのに!!!

昔の私もそうだったけど、
夏休みの宿題は必ず八月に入ってからやるのだ。

子供の頃の娘たちもそうだったが孫たちもそうらしい。

あの海の日から十日程経ち夏休みも
後二週間くらいになった頃に宿題を始めるのだ。

「匡さん、此処教えて」

孫たちは私たちを"おじいちゃん""おばあちゃん"と呼ばない。

前に聴いたら娘たちが言ったらしい。

話しが逸れたが聞いての通り、孫たちは今
マー君に教えてもらいながら必死で宿題をやっている。

「だから、宿題は早めに
終わらせなさいって小学生の時から言ってるでしょうが」

娘たちが呆れた様子で孫たちを叱る。

『あんただって、子供の頃は何時だって
宿題は後回しだったじゃない』

子供というのはそういうものなのだ。

「言い返せないのが悔しいわ」

そう言って子供部屋から出て行った。

「蓮さんありがとう」

『どういたしまして』

私も子供部屋を出た。

『何時まで拗ねてるねよ』

上の娘の家だが部屋の場所は把握している。

「母さん

別に拗ねちゃいないわよ」

プイっとそっぽを向くのは拗ねてる証拠だけど
これ以上いうと口も聞いてくれなく
なりそうだから黙っておいた。

『分かったからリビングに戻ろう』

それから、二人で戻り夕方、家に
帰る頃には孫たちの宿題も残り僅かとなっていた。

流石教師、子供たちに
勉強させるコツを知っているのだろう。

「父さんもありがとうね」

『あいつらに授業で解らない所が
あったら連絡しろって伝えといてくれ』

オッケーと言って娘たちは家の中に入って行った。

夏休み明けの九月、今日から、学校が始まる。

この時期が一番忙しいのを私がよく知っている。

よって、マー君の帰りが遅い理由も分かっている。

今年も教師対抗リレー走るのかしら?

流石に、私が高校の頃とは違いマー君も歳をとったから
もし、出るとしたらまだ走れるのか心配だ。

私が心配した通り現役時代とは違い
なんとか完走したものの息切れを起こしていた。

『だから、辞めとけばって言ったのに』

走り終えて、私の方に来たからタオルと飲み物を渡した。

『まだいけると思ってたんだけどな』

何を言っているんだか。

『来年はやめときなよ』

クギをさしておかないとマー君ならやりかねない。

『そうだな』

よしっ!!

これで来年は走らないだろう。

家に帰って来て全身筋肉痛だという
マー君に湿布を貼ってあげた。

体育祭が終わると次は十一月に文化祭がある。

此処でも無茶しそうな予感がする。

文化祭まで後二ヶ月!!

先のことは後から考えればいいか。

そして、やっぱり私の予感が当たるのだが
この時はまだ知らない……

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