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初めての旅行

俺達は二人がプレゼントしてくれた
温泉旅行に行くために新幹線に乗っている。

車でもよかったが
普段から車通勤だから
たまには、新幹線もいいかと思った。

違う駅弁を買ってわけっこしたり
学生時代の修学旅行の話をしたり
二人旅を楽しんだ。

『こんなにゆっくり
できるのは久しぶりですね』

駅弁を食べ終わり、お茶を飲んでいたら
多佳良(たから)が俺に
寄っ掛かりながら言った。

同じ会社で
同じ部署だからこそわかる。

『確かにそうだな』

俺がぶっ倒れる前から
何時も忙しかった。

『向こうに着いたら
ゆっくりのんびりしましょうね』

家とは違って二人きりだからな……

俺の理性が保つかどうか……

付き合う前から{抱いてください}
と言われていたからなぁ(苦笑)

あの頃は色んな意味で
理性を保ってたがそれを
しなくていいと思うと
宿に着いてすぐに押し倒しそうだ……

『そうだな、休みを満喫しような』

平常心平常心。

気付かれない様に深呼吸をした。

新幹線に乗って二時間。

更にバスで二十分。

目的の旅館に着いた。

『やっと着きましたね』

部屋に案内されてとりあえず、
荷物を置き、茶を淹れることにした。

『多佳良、茶がはいったぞ』

窓の側で景色を
眺めていた多佳良に声をかけた。

『ありがとうございます、蒼介さん』

隣にぴったりとくっついて来た。

可愛いなぁ。

家では何かと気ぃ使って
くっついてこようとしないからな。

『なぁ、家でもそうやって
くっついて来ていいんだからな』

あの二人は最初から気にしてなかったが
多佳良の中では
思うところがあったんだろう。

★━━━━━━━★

観光は明日にして今日は
とことん寛ぐことにして
ダラダラしながら夕方まで過ごした。

いい旅館なだけあり、夕飯も豪勢だった。

温泉も堪能して部屋に戻ると
布団の上に正座した多佳良がいた。

緊張してるのがよくわかる。

『蒼介さん……』

普段から[抱いてください]なんて
言っていた多佳良もいざヤるとなれば
そりゃ、緊張もするだろう。

今日は、最後まではできないだろうな。

『なるべく優しくするからな』

緊張を解すようにキスをしてから
布団に押し倒した。

浴衣の帯を解いて素肌を晒す。

日焼けしないタイプなのか色白だ。

『多佳良は日焼けしないのか?』

スルッと腰を撫でながら訊いてみる。

『ん、子供の頃から
日焼けしないタイプなんです』

恥骨を撫でると
恥ずかしそうな声が聞こえた。

いいんだか悪いんだか
同性だから何処をどうすれば
気持ちよくなるのかは大体わかる。

わかっていたことだが
抜き合いと後孔を少し慣らすくらいで
やはり、最後まではできなかった。

初めてなんだし、時間も機会も
沢山あるだろうから
焦らずに少しずつやっていけばいい。

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