年下の部下に告白されている件について

三連休が明ければまた仕事が始まる。

憂鬱だが家族のことを思えばなんとか
モチベーションも上がる
と昼休みまでは思っていた。

そう、多佳良(たから)が経理課の
新人・篠原美園(しのはらみその)に
告白されているのを目撃するまでは……

断ることは誰よりも俺が
一番わかっているのに
不安な気持ちが拭えないまま
午後の始業が始まった。

大丈夫、わかってる、
そう自分自身に言い聞かせて
何とか午後の仕事を終わらせたが社内で
多佳良(たから)に
声をかける勇気はなかった……

家に帰れば会える。

憂鬱な気持ちのまま
先に帰って来てしまった。

「お帰りなさい」


遙緋(はるひ)が出迎えてくれた。

『ただいま』

今の俺のテンションは最低値だ。

「何かあったの?」

昼間の会社での出来事を話した。

「多佳(たか)君は本当にﾓﾃるわね(笑)」