「あちぃ……」
8月上旬、まだ朝8時だというのに、もう太陽がさんさんと降り注いでいる炎天下の中、俺は懇親会の会場に到着した。
周りを見渡すが、まだ人はいないようである……と、思いきや、砂浜と海の家の間に、誰かがいた。
「……え!?」
俺は、思わず声をもらしてしまった。
よく見るために、目を凝らす。
スキンヘッドのサングラス、口の左下に大きめのほくろ……間違いない、あの、つるりんである。
でも、なにやら撮影中のようだ。
そういえば、つるりんは、メンバーシップ・課金をして入れるグループ限定で、ハゲをいかした、夏場は日焼け指数、冬場は乾燥指数動画という、謎の動画をあげているのだ。
つるつるの頭を日差しにむけたり、照り返しを確認したり、忙しそうなので、さすがに俺は、声をかけなかった。
撮影が終わったつるりんは、そのままトイレに入って行く。
ここだ!、と、俺はトイレの前で出待ちをした。
トイレの中でショート動画を編集しているのだろう、中々に出てこない。
炎天下の中で待つ俺の日焼け指数は、マックスであった。