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夜。
彩花は今日も配信アプリを開く。
「良かったー、間に合った」
スマートフォンの中から
「やっほーみんな~」
という声が聞こえてくる。
「今日は、新しく買ったゲームをやっていくよ!」
といってサッカーのゲームを始めた。
ゲーム実況だ。
といっても、実況するというよりはただレオ様がグダグダ喋りながらゲームをするっていう感じ。
彩花は、やっぱり、似ているなあ、、と思った。
講義が終わったあとに聞こえた声。
誰かは分からないけど、同じ大学の一年生。
一年生の間は皆受ける授業は一緒だ。私たちの学年は全員で200人。
多い。
けど、毎日会う人の中にレオ様に似ている人がいる。
それだけで彩花は少し嬉しくなる。
「あー、ミスったあ。クソッ」
ちょっとキレているレオ様もかわいい。
なんだろう、強いていえば、母性本能をくすぐるっていう感じ?
キレ方が子どもっぽいからだろうか。
コメント欄を見ると、
「頑張ってー♡」「怒ってるレオ様かわいい」「かわいーw」「難そう(´・ω・`)」
とファンの女の子たちがコメントしている。
レオ様のファンの9割が女の子だ。
レオ様には女の子を引き付ける何かがあるのだろう。
才能が。
レオ様がコメントを読む。
「なになに、宿題が終わらないってー?やらなくてもいいよ、んなもん!俺なんて小学生のときに宿題やるのやめたよ?」
たぶん嘘だ。
そもそも、ゲームをしているので適当に話している。
それでもいいのだ。
というより、このレオ様の適当さがウケているような気もする。
もちろん私もこの適当な雰囲気が好きだ。
次の日。
いつものように授業を受ける。
ふと後ろを見ると、昨日と同じように例の男子学生四人がいる。
ゲッ
まあ、席は自由だから、仕方ないか。
というか、今まで気づかなかっただけで割りと近くにいたのかも。
後ろの席の男子たちは、ふざけているのかクスクス笑っている。
その中に、レオ様に似ている人の声も混じっている。
どうやら、レオ様ボイスの青年は、昨日「うるさ。」と私たちに言い、なぜか私をガン見していた男と同一人物らしい。
その男は友達から「だいすけ」と呼ばれている。
だいすけ、、、
全然レオ様っぽくない。
やっぱり別人なのだろうか。
その日から、彩花は「だいすけ」のことがなんとなく気になるのだった。
授業中、彩花はツイッターをこっそり見る。
この授業は、教授が優しいので、割と何をしても大丈夫なのだ。
「レオ様☆
今日の配信は6時からやりまーす!」
夕方の6時からってことだよね。
了解!と彩花は心の中で言った。