第38話 もふもふさんはどこのどなた?
両脇には頭をずぽっと差し込んできたグリフォンとペガサス。足元にはもふもふ三本しっぽの天狐さん。そして
『にゃあ』
なぜか頭の上ににゃんこ⋯ではなく、小虎ちゃん?
〖ん?ありゃ、虎んとこの〗
『あ、チビ助!お前はまだダメだぞ』
〖あ?龍、あれ〗
『ん?あっウチのチビまで!こら!お前もまだ早いだろ!』
『え?ええ?』
何?何?
『にゃあっ』びたっ
『きゅんっ』しゅるっ
『ええ?えええ?』
頭から顔にもふもふなお腹が?それに腕に何か巻きついた?
『こら!ちび助!お前はまだ母ちゃんの乳が必要なんだから無理だろ!』
『にゃああんっ』いやいや
『お前もだ!まだ飛べもしないだろ』
『きゅんん~』いやいや
何?何?
〖あ~悪ぃなレイ。こら、一度降りろ。レイがお前の顔見れないだろ〗ひょいっ
『にゃああんっ』しゃっしゃっ
〖お前もだっ!すまん、レイ。こいつらけっこう力があっただろ?〗しゅっ
『きゅん~っ』しゃーしゃーっ
鍛冶神様と武神様の声がしたと思ったら、視界が開けたわ。
『ふぅ』
なんだったのかしら?
『あらあらまあまあ?その子たちは?』きらきら
か、可愛いわ~っ
『こいつらは俺たちの子どもだよ。とにかく好奇心旺盛でな。元気なのはいいんだが、まだ生まれたてほやほやみたいなもんだからな。まだ目が離せねぇんだ』
『ウチのもな、虎んとことそう変わらず生まれたもんだから、何するにもつるんでてな。お前もまだ無理だぞ!母ちゃんだって許さねぇだろ』
『にゃああんっ』ぷいっ
『きゅんんっ』ぷいっ
『『こらっ』』
『あらあらまあまあ、そうなの。とっても可愛らしいわね~』
そう言うのは、鍛冶神様の神獣の虎さんと、武神様の神獣の龍さん(見た目は洋風のではなく、日本の龍みたいな姿の龍ね)。
おチビちゃんたちはまだほんとに小さくてまるで、小虎ちゃんなんかまんまぬいぐるみ!でも太いあんよが大きくなるぞ!って言ってるわね。
それに小龍ちゃんもクリクリなおめ目で、背中でパタパタしてるとってもちっちゃな翼が!可愛らしいわ!
『あらあらまあまあ、抱っこさせてもらっても?』
いいかしら?もふもふだわっ
可愛いわっ
『『いいぞ』』
やったわ~
『小虎ちゃんに小龍ちゃんもよろしくね』きゅ
『にゃあん♪』すり
『きゅんん♪』すり
『あらあらまあまあ、もふもふのスベスベね~♪』
ああ~可愛いわぁ♪
『ありがとな』
『でもそいつらは』
『『まだダメだぞ』』
『分かってるわ~こんな小さい子はまだ親御さんから引き離しちゃダメよ~こんな可愛い姿を見逃しちゃいけないわ』
ああ~でも可愛い~もふもふ♪すべすべ♪
ぐりっぐりっ
『ん?あ、そうだったわこの子たちは?』
〖そのグリフォンは〗
『ウチのだな』
『あらあらまあまあ、工芸神様のグリ様のお子さんなの?』
『そうだ。その小虎たちよりか早く生まれたんだ』
〖そちらのペガサスは〗
『私のとこですね』
『まあ、医神様の天馬さんのお子さんなのね。この子たちも可愛いわ。それに、毛並みも美しいし、もふもふも素晴らしいわ』
『『そうでしょう』』ふふんっ
あら、少し親バカさんかしら?でも、自慢したくなるのは分かるわ。
それから
『この狐さんは?』
『それは妾の所の天狐の子じゃ。普段は森の中にいて、あまり姿を見せぬのじゃ』
『あらあらまあまあ、それなのにわざわざ来てくれたの?ありがとう』
『こんっ♪』
うん、みんな可愛いわね。
『ぴぃ』もふん
『ん?』
今度は?
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