過去のおもいで
ネルモアは木の椅子に座りながら目を閉じてあの夜の事を思い出した
2年前のあの夜か
深夜11時過ぎ、トシキは久しぶりに遠くまでバイクで走っていた
この道に通行する人はなく、車もまばらだった
道路を通行していると横断歩道で人が倒れていた
異変に気がついたトシキはバイクを横断歩道の近くで止めると、苦しそうにしている1人の女性の所に歩いていった
女性は美しい顔をトシキに向けるとお腹を抱えて苦しそうにする
トシキは近くに行くと言う
(どうしました、待ってください、すぐに救急車を呼びますから)
ネルモアはトシキを見ると(ありがとうございます、でも、大丈夫です、持病なんですが、薬を飲めばすぐにおさまりますから)
と言ってポケットから薬を取り出した
トシキは(わかりました、でも、ここでは危ないのでとりあえずあちらに行きましょう、方を貸します、歩けそうですか)
と本当に心配しながら言った
ネルモアはトシキに思わず抱きつきながら(すみません)と言ってバイクを止めていた場所までトシキと一緒に歩いていく
トシキとネルモアが歩道につくとネルモアは座り込んで言う
(すみません、お金を落としてしまいまして、申し訳ありませんが飲み物を買ってくださいませんか)と辛そうな顔をしながら言った
トシキは(わかりました、飲み物をあそこにある自販機で買って来ますので、ちょっと待っててくださいね)
トシキは急いで自販機に向かうと自販機はちょうど水が売っていた
水を購入するとトシキは走ってネルモアのところまで行く
しゃがんでネルモアに水を渡した
ネルモアは水の入ったペットボトルを受けとると笑顔で感謝しながら言った
(ありがとうございます、本当に助かりました)
そう言うとネルモアはキャップを開けて、薬を飲んで水を飲んだ
(フッー)と一息つくとネルモアは言う
(今、薬を飲みましたので30分もすれば効くと思います
私の名前はネルモアと言います
貴方、お名前は)
と言う
トシキも一安心して名前を言った
(あっ、俺はトシキ、ウエハラトシキって言います
よかった、これで安心ですね)
と言って笑った
トシキはこんな所に1人でいるなんて
まあ、なんか用事の帰りにこうなったんだろうなと思っていた
ネルモアは心の中で(ばかめ)と思いながらトシキに感謝の言葉を言っていた