502 いよいよ試験
エル様、ジーニ様、アイナ様、ニャーニャにゃん、リノ様に、大ちゃんを初めとした精霊さんたちのスパルタ教育と、おいちゃんの特製ジンジャーエールで強制的に鍛え上げられた天河さんたち。
「ちゃぷんちゃぷん♪」たぷんたぷん
『ちゃぷんちゃぷん~♪』たっぷたっぷ
ぴゅいきゅい『『ちゃぷんちゃぷん♪』』ぽよんぽよん
『サ、サーヤちゃんたち』
『頼むよ』
『お腹触らないどくれ』
『ぎゃ、逆流する・・・』
『で、出る・・・』
『うぷ・・・』
「うきゃーっ」ぽてぽて
『わ~』たたたっ
ぴゅいきゅい『『きゃはは~♪』』パタパタ
『『逃げろーっ』』
『『『にげろーっ』』』
みゃあ『たぷんたぷん♪』
『ちゃぽんちゃぽんなのだ~♪』
しばらくサーヤたちが、ドワーフさんたちのお腹をたぷんたぷんしてから逃げる遊びが流行りました。
そして、ついに
『ゴーレムたち頼むな』ぽんぽん
『頼りにしてるぜ』ぽんぽん
『一緒に頑張ろうな』ぽんぽん
ゴゴゴッ
〖天河、天青、天藍、ゴーレムばかりに頼ってはいけませんよ〗
『は、はい』
『肝に銘じて』
『精進します』
エル様に釘刺されてます。
『妖精たちも頼むよ』
『力を貸しとくれ』
『私らも頑張るからね』
『『『『『『は~い』』』』』』
〖あら、妖精たちはあくまでサポート役よ。メインはあなた達なんだからしっかりね〗
『は、はい』
『申し訳ありません』
『頼りすぎないようにします』
藍さんたちはジーニ様に釘刺されてます。
これから天河さんたち、聖域のお外に行って、試験をするんだって。
お腹ちゃぷんちゃぷんで頑張ったから、きっと大丈夫!
『まあ、たまにはモモやスイ、サーヤたちに海の幸を食べさせてやりたいからな。海まではかなり距離がある。ある程度のところまでは我の背に乗って行けばいい』
そうなのです。せっかくだから海まで行って、その間に魔物と戦ったり、攻撃とか浄化とか魔法の練習とかもするんだって。
『空から見ればぁ、周りで何かが起きてたら気づくかもしれないしねぇ』
『そうですわね』
『そしたらぁ、そこにドワーフさんたちを落としたらぁ、解決するかもしれないわよねぇ』
『お母様、それはいくらなんでも酷いとますわ』
『そんな上から落ちたらたまらないにゃ』
「うにゅ?」
ぴゅきゅ?『『あれぇ?』』
サーヤたちもっと高いとこから落っこちたよ?
〖その節はほんとに申し訳ないと···〗うっ
ぴゅいきゅい『『シアしゃま、ドーン』』
「どーん、ちたね?」
ぴゅいきゅい『『ね?』』
お空から落ちたよね?
〖重ね重ね、申し訳ないと···〗ううっ
サーヤとモモとスイが無邪気にシア様にダメージを与えていると、
『ま、まあ、そのおかげで、おれたち会えたんだし』
『そ、そうよ。家族も増えたんだし』
〖クゥ、フゥ·····〗うるうる
クゥとフゥが助け舟···
「しょだね、しあしゃま、あいがちょ!」にぱっ
ぴゅいきゅい『『ありがと』』にぱぁ
「だいすち!」ぎゅう
ぴゅいきゅい『『だいすき~』』ぎゅぎゅう
〖サーヤ、モモ、スイ···ありがとう~〗ぼろぼろぼろ
むぎゅううっ
フゥとクゥの活躍でシア様は救われた!
『『よ、良かった』』ほっ
ほっとするフゥとクゥだが
『良くないぞ。見ろ、あれを』じとー
『『え?』』
おいちゃんに言われて後ろを振り向くと
〖嫌ぁ~サーヤ~っ私にもだいすきって言ってくれたじゃないの~〗だばーっ
『んもう!ジーニ様ったらだめでしょう~?感動のシーンなのよぉ』がっちり!ぐるぐる
〖サーヤ~私にも、ぎゅうってして~〗だばだばーっ
〖魔神はいつもしてるでしょう。今は邪魔してはダメですよ〗ひゅお~
『『うわあ~』』
ジーニ様が後ろからがっちり結葉様に羽交い締めにされ、更に木の根で体ぐるぐる。更に、エル様が氷の魔法で、ジーニ様が足元からぴきぴきっと·····
『な?』
『『はい···』』
中々にカオスな状況の中、遠くから
『·····ねぇねしゃま~っおばあちゃま~っ』
「うにゅ?」
呼ばれた?どこ?
キョロキョロ
『あらあらまあまあ、サーヤ、上よ。ほら』
おばあちゃんが指さすのは、空?····あっ!
『ねぇねしゃま~っおばあちゃま~っ』
あれは~
「かのこちゃんっいひかしゃま~っ」
真っ白な体に立派な角、それに大きな翼の空飛ぶ鹿さん、イヒカ様と、娘のかのこちゃんです。イヒカ様の背中に立って、首に寄りかかるようにして頭につかまってるみたいです。
『ねぇねしゃま~、おばあちゃま~、かにょこ、きまちたよ~!ととしゃま、はやくはやくでしゅよ!』
『鹿の子、暴れるんじゃない。もう着くのだから』
『はいでしゅ。でも、はやくでしゅ!』
『まったく、仕方ないな』
スーッとイヒカ様が降りてきて、背中からぴょんっと鹿の子ちゃんが降りてきました。
「かのこちゃん、いらっちゃい」
『『『『『いらっしゃ~い』』』』』
『えへへ、きちゃいまちた』ぱたぱた
『なるほど、それで絹さんが今日はこの服って言ったんですね』
『羽がお揃いです』
フゥと山桜桃ちゃんがなるほどって納得してます。
きゅるる『そう。真っ白なパフスリープのTシャツに、真っ白なかぼちゃぱんつ、背中に真っ白な小さい羽、天使にも見えるし、鹿の子とお揃いにも見える』
きゅるるん『『『おくつにも』』』
きゅるるん『『『『ちっちゃいはね、ついてるの!』』』』
あっホントだ
『はね、おしょろいでしゅ!』
「あい!おしょろい♪」
嬉しいな~
『イヒカ、悪いな。今日はよろしく頼む』
『ギン様、こちらこそよろしくお願い致します』
んん?
「いひかしゃま?きょう、よろちく?」
何をよろしく?
『今日は、アルコン様とドワーフたちに同行するのですよ。私では全員を乗せることは出来ませんが、ドワーフでしたら二、三人でしたら乗せられますし、小回りがききますからね。私にとっても外を知ることは勉強になりますので良い機会を頂きました』
「ふお~
『相変わらず真面目だな』
ほんとだね~
『真面目ね。あら?鹿の子ちゃんも一緒に行くのかしら?』
あれ?
『かにょこは、ねぇねしゃまと、おばあちゃまたちに、あいにきたんでしゅよ!ととしゃまかえってくるまで、まってるでしゅ!』
『はい。鹿の子は皆さんにお会い出来るのを楽しみにしていたのです。今日は一緒に遊んでもらえますか?』
そうなの?もちろん
「あい!かのこちゃん、あしょぼ!」
『はい!あしょぶでしゅ!』
わ~い♪あそぼ~♪
〖ふふ。それじゃ、揃ったようだし、そろそろ行ってきてちょうだい〗
あ、ジーニ様が復活してる。
『分かった。では···』
キラキラ光ってアルコン様がドラゴンの姿に!
「ふああ~」
やっぱり
『きれいでしゅ!しゅごいでしゅ!』
ぴゅいきゅい『『そうでしょ~?』』
ぴゅい『おとうしゃん』
きゅい『かっこいいんだよ~』
えっへん!
モモとスイが嬉しそうです。
『はいでしゅ!すごいでしゅ!』
だよね~♪
『素晴らしいですな。置いていかれぬよう、精一杯ついて行きます』
わあ、イヒカ様やっぱりまじめ!
『いや、今日は見回りも兼ねるからな。我がイヒカに合わせよう。いつも見回りする位の速さで飛んでくれ』
『かしこまりました』
今回のメンバーは、アルコン様、イヒカ様、それから天河さんたちの指導係の精霊さんたちと、
『それでは、私も行ってまいりますわ』
『リノちゃん、みんなをよろしくねぇ』
『はい。お母様』
『お姉様、お気をつけて行ってらっしゃいませ』
『分かりましたわ。アイナ』
『変態厳禁でにゃ』
『どういう意味ですの!?』
『そのまんまの意味にゃ!』
ニャーニャにゃんにいじられてるリノ様と
〖私も行きますから、大丈夫ですよ〗
〖私は寧ろ、あんたがやり過ぎやしないか心配よ〗
〖医神、あんまり無茶はさせないでくださいよ〗
〖分かってますよ〗にっこり
〖〖心配だわ〗〗
〖蒼、青磁、悪いけど〗
〖頼みますね〗
いまいち女神様に信用されてないエル様と
『ほっほ。お役に立てるように頑張りますじゃ』
『ほっほ。どこまで抑えられるかは分かりませんがのぉ』
信頼たっぷりな、じぃじと亀じぃ。
リノ様、エル様に、じぃじと亀じぃ。これだけいたら大丈夫だよね。ね?·····あれぇ?
『おいおい』
『情けねぇなあ』
『立ったまま寝てやがる』
『目が開きっぱなしだよ』
『間抜けに口まで開けてね』
『こんなんで大丈夫かね?』
どうやら、アルコン様のドラゴンの姿と、空飛ぶ鹿さんイヒカ様を見て、天河さんたちは、またまた驚きすぎて固まったみたいです。親方たちはもう呆れ返ってます。
あれ?みんなアルコン様に乗ってきたよね?なんで?
『だいじょうぶでしゅか?けっておこちましゅか?かにょこ、キックちゃんと、れんしゅうちてましゅよ』
『鹿の子、さすがに危ないからやめてあげなさい』
『はいでしゅ。ととしゃま』
うん。やめてあげて。
『仕方ねぇな』
『みんな、やっちまおうかね』
『『そうだね』』
『『『そうだな。んじゃ、せーのっ』』』
『『『はいよっ』』』
『『『おらよっ』』』
ぼんっぼぼんっ
あ、寝たままアルコン様の背中に放り込まれた。
あ~あ。これから試験なのに大丈夫かな?
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