501 魔力切れしたら?
魔力切れで、ねんねしてた天河さんたちが起っきしました。おいちゃんの犠牲は無駄ではなかったね。
『死んでねぇぞ!』
それは良かったです。
『あ~もしかして、魔力切れ起こしたのか?俺たち』ぶんぶん
頭をふりふりしながら天河さんが呟くと
『その通りにゃ!情けないにゃ!』
『···魔力無駄にしすぎ。小さいサーヤの方が上手』
『その通りにゃ!見習うにゃ!』
「えへ~?」
サーヤ、大ちゃんとニャーニャにゃんに褒められちゃった?
『あらあらまあまあ、サーヤ、良かったわねぇ』なでなで
「えへへ~♪」
おばあちゃんにも、撫でられちゃった♪
『ううう···そりゃあな』
『おれたちも反省したよ』
『こんなに魔力使い続けた事なかったしな』
そうなの?でもぉ
「おやかちゃちゃち、いちゅも、ちゅかってりゅよ?」
『サーヤの言う通りなのだ』
『うん。せいいき、きたときから』
『ずっと、まりょくまとってた~』
『いまは、もっとじょうず~』
姫ちゃんと妖精トリオもやっぱりそう思うよね?
『ん?わはは!そうか上達してたか!』
『わはは!そりゃ、嬉しいな!』
『わはは!ありがとよ!ちなみに姫と妖精トリオにはどう見えてんだ?』
親方たちが豪快に笑いながら聞いてきました。
サーヤはなんとなく感じるだけだけどぉ、妖精トリオや姫ちゃんはハッキリ見えるんだよね?
『えっとね~、さいしょはちょっと』
『『『ぼこぼこしてたの~』』』
妖精トリオが手でぼこぼこを書いてます。
『今はボコボコなくて均一なのだ』
姫ちゃんは満足そうにしてます。
『へえ、練習の成果が出たかね』
『私らも毎晩、石に魔力貯めてんだよ』
『おかげで体調も調子いいんだよ』
おかみさんたちも練習してるもんね!
『でも~まだちょっと』
『ぶあつい~?』
『このくらい~』
妖精トリオが両手でこのくらいって暑さを教えてます。んと、五センチくらい?
『結葉様たちに比べたらまだまだなのだ』
姫ちゃんは、まだまだって首振ってます。
『ガハハ!そうかそうか!』
『まだまだ精進しないとな』
『手厳しいな!』
『わはは!鍛錬あるのみだね』
『もっと薄く、かつ頑丈に』
『いやいや、しなやかさも大事だよ』
親方たちはダメ出しに落ち込むどころか、やる気満々!楽しそう!
〖そうね。金剛たちは初めから魔力を纏ってたから、そもそも魔力の使い方は良い線いってたのよ。今だってなかなかの出来よ〗
〖あら、辛口のお母様が認めるなんてすごいですね〗
〖あら、私は褒めるところは褒めるわよ。誰に習う訳でなく、ここまでたどり着いていたんだもの。充分、賞賛に値するわよ。あとは、ほんの少し方向を示せば良かっただけよ〗
〖なるほど。そのほんの少しのヒントで、今はしっかりモノにしたわけですね〗
〖そういうこと。まあ、今新しい課題を与えられたみたいだけどね〗
女神様二人が、ニッて、笑いながら褒めてます。
「んにゅ?」
でも、最初に魔力の練習したとき、親方たちも驚いてたよね?
〖それはね?今までなんとなく感覚で出来てたものが、意識して意図的に行ったことで、実感として現れたからね〗
『ふお~』
そっか~
『確かに、体の中の魔力を感じるなんてな、目から鱗だったよな』
『まして、外から取り込むことも出来るなんてね。驚いたよ』
親方夫婦の言葉に、他のドワーフさんたちも頷く中、サーヤは····
「うりょこ?」
うろこ?うろこ···
「あるこんしゃまにょ、うりょこ、おめめかりゃ、ぼりょ?」
こわこわこわ。想像しちゃいました。痛そうです。
『『『違う違うっ』』』
『『『さすがにそれは怖いけどもっ』』』
親方たち全否定!
『我の鱗は人の目に入るほど小さくないが···』
『アルコン様、例えだよ例え···』
『む、そうなのか』
アルコン様の真面目な疑問においちゃんがツッコミます。サーヤもすっとぼけだけど、アルコン様もなかなか···
『あらあらまあまあ、あのね、ほんとに鱗が落ちるわけじゃなくてね、何かのきっかけで、あっ何だ、そうだったのか!って気がつくことを言うのよ』
「しょっか~」
『そうなのか』
それなら痛くないから安心だね。では、ジーニ様、続きをどうぞ。
〖ふふ、ありがとう。天河たちも、基本はクリアしたはずなんだけど、疲れてきたらコントロールが甘くなって無駄遣いになったのね。疲れた時こそ魔力を無駄にしないようにしないとね〗
『はい。たしかに、そうですね』
『次から気を···』
『違ぇよ』
『え?』
親方が突然言葉を遮りました。
『そこから違ぇんだよ。魔力ってのはな、四六時中纏うんだよ』
『それこそ、寝てる間でもな』
『出来ねぇなんて言わせねぇぞ』
『そうだよ。今からやるんだよ』
『疲れてる時だからこそ、一番体に負担にならないやり方が分かるってもんさ』
『里に帰ればあんた達が里の連中を鍛えるんだ。モノにしてから帰ってもらうよ』
親方、おかみさんたちから厳しいお言葉!
『『『えええ!?』』』
『『『そんな!?』』』
天河さんたちはショック受けてるみたいだけど
〖おや、今から根を上げていてはダメですよ。あなた達には医神である私が治癒魔法も教えるのですから、しっかりやって頂かないと。しかも短時間でですからね〗ニッコリ ひゅお~
『『『『『『は、はい』』』』』』ぶるぶる
エル様の圧···お言葉で納得したようです。
あ、あれ?なんか寒い?
「はく、だっこちて」
『いいよ~なんか寒いね~?』
ぴゅいきゅい『『あっ、まぜて~』』
『『ぼくたちも~』』
『『『もぐらせて』』』
みゃあ『ココロもにゃ』
『姫もなのだ』
『いいよ~』
みんなでハクの暖かいもふもふにくるまります。
「はふ~ごくらく~」
『あらあらまあまあ、サーヤ、それは温泉の時に使いましょうね』
「あい~」
でも、極楽です。あれ?おばあちゃんもいつの間にかハクにくるんしてもらってるね。
『まあ、とにかく練習あるのみってこったな。なあ、ジーニ様、天河さんたちは今疲れきってるってことだよな?手っ取り早く回復させたらダメなのか?』
〖え?そうねぇ~?疲れた時なりの練習効果もあるんだけど、時間があまりないから、回復したら手っ取り早いかしらね。魔力を使い切ってから回復すると、魔力量も上がるし。でも、どうして?〗
『いやさ、畑仕事中に飲もうと思って作ったもんがあるんだけどな?大人向けに香辛料いくつか入れてな?』
〖それがどうしたの?〗
『いやまあ、飲んでもらったら早いかな。これなんだけどさ』
そう言っておいちゃんが取り出したのは
くんくん
この色、この匂い、シュワシュワの金茶の液体は、これは、サーヤが飲めない
「かりゃい、じんじゃーえーりゅ」
しかも、濃いヤツです。サーヤは甘いのがいいです。
『お、よく分かったな。そう、生姜と黒糖の他に、最近育てたシナモン、唐辛子、クローブに、レモンが入ってるんだよ』
『あらあらまあまあ、ゲンさん特製の代謝アップジンジャーエールね。ピリッとキリッと美味しいのよね。完全に大人向けだけど。ゲンさん、それ、後でお供えしてね?材料と一緒に』ニッコリ
『あ、ああ、分かったよ。それでな?ジーニ様、これ、飲んでみてくれよ。そんで感想聞かせてくれ。あっ、シア様とエル様も』
おいちゃん、おばあちゃんの迫力に引きつってるね。おばあちゃん、おいちゃんのジンジャーエール好きだもんね。
『あらあらまあまあ、だって美味しくて代謝アップよ。なぜか私が作っても、微妙に同じ味にならないのよ。コツを教えてって言ってるのにね。ね?ゲンさん』にこにこごごご
『は、ははは···』
おいちゃんたらビクビクしながら神様にコップを渡してます。
〖あら、ありがとう〗
〖いただきますね〗
〖師匠、いただきます。ですが、何かありそうですね〗
神様たち、一口飲むと
ピタッ
三人とも固まっちゃいました。
『ええ~?ちょっと大丈夫ぅ?ジーニ様ぁ?』
結葉がつんつんしても動きません。
『ええ~?アイナちゃん、鑑定しちゃってみてぇ』
『はいですわ。では、失礼して、鑑定させて頂きますわね···え?』
『ご、ご主人?大丈夫にゃ?』
『ちょっと、アイナ?あなたまで固まらないでくださいませ』ゆさゆさ
アイナ様、鑑定したと思ったら固まっちゃいました。
『え、ええ?あ、リノお姉様。申し訳ありませんですわ。ですが、これは····』
ぴくっ
〖〖〖 ごくごくっぷはぁっ〗〗〗
アイナ様の言葉の途中で神様たちが復活したと思ったら、すごい勢いで飲みだしました。
大丈夫?それ、炭酸だよ?
〖〖〖ぐふっ〗〗〗
ほらね~ダメだよ。一気飲みは
〖けほっ。な、何?これ?美味しい、美味しいんだけど〗
〖体の内側からどんどん?なんというか、力が湧き上がってくるというか〗
〖体の底から熱が?いえ、違いますね。これは魔力と体力が回復してる?〗
神様たちが、なんかワナワナしてる?
『そうなんだよ。せっかく冷たくしてんのにな?熱い気がすんだよな。まあ、飲んだあと、またやるか!って気にはなるんだけどよ?だから、今の天河さんたちに飲ませたらどうかと思ったんだけどよ。どうかな?』
おいちゃん、気を使ってるのは分かるんだけど、なんか、なんか···
「ちやうきがしゅりゅ···」ぷるぷる
『う、うん。ぼくもそんな気がするよ~』ぷるぷる
みんなもハクにしがみついてぷるぷるです。
『あらあらまあまあ、サーヤもみんなも、きっと正解よ』
やっぱり?おばあちゃんが言うなら間違いないね。
『ねぇ?アイナちゃん?結局あれはなんだったのぉ?』
結葉様が聞くと
『あ、あれは、上級のポーションですわ。魔力と体力が一気に元に···いえ、それ以上でしょうか?』ふるふる
『『ええ?』』
『またかにゃ···美味しいポーション第二弾にゃね。薬草も使わずにかにゃ?』
第一弾はローズヒップとハイビスカスのハーブティーらしいです。
『あらあらまあまあ、それは違うわよ?生姜も黒糖もクローブも唐辛子もシナモンも、全て体を温めて、代謝を上げる効能があるのよ。レモンはビタミンだしね。疲れもとれるわよ』
ニャーニャにゃんにおばあちゃんが説明します。
『今回、ゲンさんは作ったシロップを炭酸水と氷で割ったけど、お水や、お湯でもいいのよ。あら?お湯で割ったらますます代謝上がるわよね?どうなるのかしら?』
「しょだね~ぽかぽかにゃるね~」
『そうよね。サーヤは香辛料抜きの甘いのだったら飲めるものね』
「あい。かじぇ、ちょんでく」
『そうね。少しくらいの風邪なら飛んでっちゃうわね』
「おいちいちね~」
『そうね。それが一番大事よね』
「あい~」
ほのぼのおばあちゃんとお話してたら
『いやいや、凛にサーヤ、周りを見てみろ』
『···なんか抜けてるよね?』
「うにゅ?」
ギン様?だいちゃん?
『あらあらまあまあ?』
気がついたら、周りに人がたくさん?
おいちゃんはニコニコのジーニ様とシア様に両側から腕を組まれてます。
「ふぉ~りょうちぇに、はにゃ」
『あらあらまあまあ、ずいぶん贅沢な両手に花ね』
〖あら、私たちが花?嬉しいわ〗にこ
〖しかも贅沢な?なかなか気分いいですね?〗にこ
『凛さん、サーヤ、そんな悠長な状況じゃないと思うけどな』
「ふにゅ?」
なんで?
『あらあらまあまあ··· 』
結局、またしても美味し い美味しいポーションを作り出した、おいちゃんは、それから大量のジンジャーエールシロップ大人用をつくらされ、
『も、もう勘弁してくれ』ぐったり
『『『ゲン、それは···』』』
『『『こっちのせりふ···』』』
『『『『『『腹がちゃぽちゃぽ言ってるよ···』』』』』』
天河さんたちは魔力が切れるまで魔力の練習をしては、ジンジャーエールを、時には炭酸、時には水、時にはお湯割りで飲まされ、繰り返し練習をさせられましたとさ。
「ふあ~」
『あらあらまあまあ、ポーションって、人を助けるものじゃなかったかしらね?』
「にぇ~」くぴっ
甘いジンジャーエール、おいち。
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読みいただきありがとうございます。私は炭酸飲めないんですよね~。んぐって、喉が詰まります。息の仕方が分からない( ̄▽ ̄;)どうやって皆さん息してるのかな?