ある日のひな祭り日記 3 番外編
本日も二話更新します。よろしくお願いします。
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『おりゃ~っ!』
バッシャーンっ
『海底に届いたかー?』
『大丈夫だ!』
『よし!じゃあ、アルコン様頼む』
『心得た。このまま移動すれば良いのだな?』
『おう!よろしくな!』
バサッ ズズズズズ
こちらは海⋯
ドワーフたちが作ってくれた猟具を、ドワーフたち自ら引いている。使い勝手を確かめないとな!と、言ってついてきたのだ。
『いやぁ、海の真っ只中で、ドラゴンの背から漁をすることになるとはなぁ』
『長く生きてるもんだな』
『俺たちゃエンシェントドラゴン様の背に乗せてもらったドワーフだぜ』
いや、ドラゴンを船替わりにするのもどうかと思うけどな?
『そういや、ドワーフってのは船も作るのか?』
『あたぼうよ!』
『なんだって作ってやるぞ!』
『俺たちゃ誇り高きドワーフだからな!』
ドンっと胸を叩いて
『『『ガハハハハ』』』
と、笑うドワーフも、さすがに空の旅は、
『『『ギャーっ落ちるっ』』』
ってな、初めはビビったようだが、そこは黙っといてやろう。
『ゲン、そろそろか?』
そんなことを思っていたらアルコン様が声をかけてきた。
『おう!そうだな。引き上げてみるか!』
『『『おうよ!どっこいせ!こ~らよ!っと』』』
『おっ見えてきたぞ』
『『『おらーっ!』』』
ずざーっ
『おお!すげぇな』
あみの中には貝がいっぱい。ちゃんと鑑定でも食用可と出ている。鑑定便利だな。
『お、これこれ。これが探してた貝だな。前の世界のものより一回りデカイな』
『これ、美味いのか?』
『おう!ひなまつりじゃあ、お吸い物っていう、汁もんにするんだけどな?浜焼きにしたって美味いぞ!』
『そうか。楽しみだな!』
『おう!期待してくれ!』
あとは、魚とかエビだな。
『アルコン様は前回どうやってエビとか魚とかとったんだ?』
『ん?簡単だぞ?こうやってな?』
カッ!ズアアアッ
『は?』
ブレス?
『まじか』
『海が割れたぞ』
『なんてこった』
『水だけを飛ばしたからな。あとは落ちたのを拾っただけだ。今日はお前たちもいるからな。前回より多く集められるぞ。我はでかいものを拾ってこよう。ああ、じきに海は元に戻るぞ』
『は?』
『『『じきに戻る?』』』
『⋯⋯』
『『『⋯⋯』』』
『い、急げ!!』
『うおーっこの壁いつまでもつんだよ?』
『知るかよ!とにかく急げ!』
『ゲン!とりあえず食えるやつは入れとくぞ!』
『ああ!岩陰も頼む!美味いもんの宝庫だぞ!』
『『『なんだと!?』』』
『うおっ?これ石じゃねぇのか!』
『貝だ!まさかドワーフの採掘道具が海底で生きるとは!』
『人生まだまだだな!』
まさに破竹の勢いでかっぴらいた海底を漁る俺たち!もちろんサーヤの好物、エビもしっかりとったぞ!
『おい。そろそろだ。我の背に乗れ』
『おお?親方たち!行くぞ!』
『『『おうよ!』』』
みんなで慌ててアルコン様の背に飛び乗る
『では、行くぞ』
一気に海面へ飛ぶアルコン様。その背では
『『『ギャーっ落ちるーっ』』』
まあ、仕方ないよな。アルコン様が海面へ出ると
ざざー
海は何事も無かったかのように元に戻った。
『よ、良かった』
『俺たち』
『生きてるな』
ドワーフたちも無事のようだ。
『じゃあ、帰るか。アルコン様、頼むな』
『ああ。分かった。行くぞ』
帰りは更にスピードを増したアルコン様により、あっという間についた。が⋯
『よ、良かった』
『生きてる』
『地面って素晴らしい』
地べたには伸びたドワーフたち。伝説のドワーフ三人衆も形無しだなぁ
『む。そんなに速かったか?そんなに出してなかったのだが。すまんな』
『は?ハハハ』
それは、俺もやばいから勘弁してくれ。
そして、
きゅるる『凛さん、ここは?』
『それはね、こう⋯』
きゅるる『なるほど。奥深い』
〖ぐえっ。く、苦しい⋯すごいわね、昔の人って〗
『あらあらまあまあ。まだ耐えて。これだけのものが最終的には紐一本で止まるのよ』
〖ええ?そうなの?〗
『そうよ。昔の人の知恵ってすごいわよねぇ』
きゅるる『でもこれ、サーヤには可哀想』
『そうねぇ。見えるところだけ布を重ねて、それっぽく見せましょうか』
『ねえ、凛さん。この頭の飾りも軽くした方がいいね?』
『おかみさん、そうね。できるだけ軽くしてくれるとありがたいわね』
『分かったよ』
〖ちょっと、私を利用してない?〗
きゅるる『違う。ジーニ様には本物の美を追求。サーヤは可愛さを追求』
〖なるほど。分かったわ。本物の美はやっぱり、私のような大人の女じゃないとね〗
きゅるる『その通り(単純で助かった)』
やるわね。絹さん。
そんな感じで、着々と準備は進んでいましたとさ。