304章 復興完了
10日間で、街は完全に元通りになった。超能力というのは、不可能を可能にする力を持っている。巨大地震の起きた街を、10日で元の状態にできるとは思わなかった。
地震に備えておけば、被害を防げた可能性もある。巨大地震に対する対策を、きっちりとしておこう。被害を拡大させてからの対応では、手遅れになりかねない。
バナナを生み出す魔法を使用するも、バナナは出現することはなかった。街を完全復刻させた時点で、能力は消滅したようだ。住民の食料事情を安定させるためにも、永続的に能力を付与してほしかった。
アカネは復興に協力してくれた、ソラ、ソラの部下をねぎらった。
「みなさま、本当にありがとうございました。みなさまのおかげで、街を復興することができました」
厳しい労働環境の中、文句の一つも出なかった。不満をいわずに働いてくれたことに、心から感謝している。
「アカネ様のためなら、なんでもさせていただきます」
「アカネ様には幽霊退治をしていただきました。これくらいのことなら、喜んで協力させていただきます」
「アカネ様のためなら、すぐに駆けつけたいと思います」
「アカネ様の感謝の言葉を聞いて、心から喜びを感じています」
「アカネ様、今後もよろしくお願いします」
「アカネ様、何なりとお申し付けください」
ソラは部下に対して、指示を出す。
「街に戻って、自分の仕事をしてください」
ソラの部下たちは、街に戻っていった。寂しさを感じつつも、本来の街を取り戻したことには喜びを感じていた。