303章 復興から一週間経過
「セカンドライフの街」の復興は、90パーセント程度は終わった。残っているのは、一部の住民の家の建築のみとなった。
復興の時間を大幅に短縮できたのは、魔法を使える能力を所持していたから。超能力を持っていなかったら、半年、1年あっても、土地は荒れたままだった。
ケガの治療についても、魔法はプラスに作用する。名医と呼ばれる人の治療よりも、早く、効果的だった。
一時的に付与された、食料を生み出すスキルもプラスに作用する。バナナしか食べられなかったとしても、何も食べられないよりはずっといい。最低限の栄養の摂取は、住民に大きな活力をもたらした。
ソラ、ソラの部下の助力も大きい。水や木材の提供、住民観察などで、大いなるプラスをもたらした。
部屋で休憩をとっていると、ソラから声をかけられた。
「アカネさん、もう少しですね」
「そうですね。思っていたよりも早かったです」
魔法を使えても、1カ月以上はかかると思っていた。今回の地震の被害は、想像をはるかに上回っていた。
「街を元通りにできたのは、ソラさんのおかげです。本当にありがとうございます」
ソラは照れ隠しをする。普段の姿からは、想像もつかないような顔だった。
「そんなことはないですよ」
「水は本当に助かりました」
地震による被害で、「セカンドライフの街」の水の供給減は、一時的に断たれていた。水をもらえたからこそ、多くの住民はのどの渇きを解消できた。水は生きていくにあたって、絶対に欠かせないものである。