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わたしは脱力しながらもリサの話に納得することが出来た。そして安心する。これでリサの憂いは無くなるし、おじさん達も隠し事が無くなるから、家庭内の風通しは良くなるはずだ。

 「とにかく良かったね。いろいろ心配したけど、丸く収まって良かったよ。安心した。リサとの約束も守ることが出来たし」

 「パル」

 リサは私の言葉に心配そうな、申し訳なさそうな表情になる。わたしを上目使いに見ながら確認してきた。

 「お父さんから聞いたの。パルは今回の報酬はわたしに本当の事を話す事だって、そう約束したってて聞いたけど、本当なの?」 

 「誰に聞いたの? って思ったけど、おじさんから聞いたんだね。今、言ってたわ」 

 リサに問いかけながら自分で答えを出していた。おじさんも黙ってくれていれば良かったのに、こんな事を言えばリサが気にしないはずはないのに。なんでわざわざ言うかな?

 わたしはおじさんの判断に若干、いやかなり不機嫌になりながら、嘘をつくわけにもいかず。頷いていた。わたしが頷くと同時にリサが申し訳なさそうな表情になる。

 この顔を見たくなかったから言って欲しくなかったけど、口止めをしなかったわたしの判断ミスなので、文句も言えなかった。

 「リサ、気にしないで。わたしは約束したでしょ? リサが気にしていた事に最大限に力になっるて。わたしにできる限りの事はするからって。わたしにできる限りのことをした結果だっただけだよ。良かったよ。力になれて」

 「でも、お父さんから報酬、もらえなくなっちゃうんじゃない? パル。始めての仕事だって頑張ってたのに」

 「? 何言ってるの? 報酬はもらったじゃない? おじさんは払ってくれたよ?」

 「わたしに話をしただけだよ?」

 「うん。それがわたしの報酬だよね? だから、タダ働きはしてないよ」

 「それはわたしが良い思いをしただけで、パルは何にももらってないじゃない?」

 「わたしがお願いしたことをしてもらってるから、大丈夫だよ。わたしは満足してるしね」

 

 わたしがあっさりと返事をするとリサは無言になる。そんなにわたしが満足していると言ったのが不思議なのだろうか? 嘘をついていると思われたのか? 

 逆にわたしが不安に思っているとリサが口を開く。 

 「パル。ごめんね。わたしなんかのために。ずっと頑張ってきた時間が無駄になって。本当にごめんなさい」

 「どういう意味?」

  

 リサの言葉に自分が半眼になった自覚がある。どうしてわたしがこんな事を言われなければならないんだろう? リサはわたしの努力を無駄にするつもりなのだろうか?

 わたしの不機嫌な声音に気が付いたのだろう。リサが少し慌てたように言い出した。

 「だって、本当ならリサはお父さんから報酬をもらえたはずなのに、わたしの話をする事に使ったから、パルにはメリットがないじゃない? ただ働きと一緒でしょ?」

 「リサ。さっき言ったよね? わたしが臨んだ報酬だったって。だから、ただばたらきじゃないよ。この結果にわたしは満足してる」

 「だって」

 更に言い募ろうとするリサにわたしはデコピンをする。

 

 「きいて、リサ。わたしとリサは友達だよね?」

 「うん」

 良かった。これで友達なの? って聞き返されたらわたしは泣くわ。

 「私は友達が不安そうにしているのが嫌だった。そして、それを解消するチャンスがあった。だからそのチャンスを生かしただけだよ。それが良い結果に繋がった」

 「パル」

 リサの目がウルウルしている。申し訳なさそうに項垂れるので、もう一つ付け加えておいた。

 「パル、そんな顔されるとせっかくの努力が悪かったみたいだから嫌かも。どうせならありがとうって言って欲しいかも」

 「うん。そうする。ありがとうパル。わたしはパルと友達になれて良かった。今度はわたしがパルに協力するから何かあったら教えてね」

 

 リサは少し涙ぐみながら晴れやかな笑顔になっていた。

 

 わたしの初のコンサルティングは成功したようだ。

 報酬も一番の報酬を払ってもらった。

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