第三十四話
アパレルショップに着いた俺達は、女性用の衣服を見て回っていた。
しかし黒い服しか来たことのない彼女が困惑気味だったため、俺が似合いそうなものを見繕ってやった。
「ウィルソンさん、あの……どうでしょうか?」
「ーーっ!」
更衣室のカーテンをおずおずと開ける彼女を見た瞬間、俺の目は彼女へ釘付けになった。
瞳の色と調和するピンクアーモンドのロングワンピースに、金色を差し色としたベルトが控えめに光沢を放っている。
七分丈の袖口から伸びる腕は細くてなよやかだ。
スカートの裾は少し開けており、彼女が動くたびにひらりと揺れた。
まるで別人のように生まれ変わった彼女を目の前に、俺は息をするのも忘れ、全身を舐めるように見つめた。
カーテンの陰で、彼女はどこか恥ずかしそうに俺の反応を待っている。