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知らない誰か

 「まさか子守任せられるのは予想外だよ」
「どう接したら良いか分かんねぇよ、お前どうにか出来る?」
「無理、苦手」

 避難してるよう言われた子と歩いてると巫女服を着た人が出てきた。

 「誰だ?」
「ソレは此方の台詞だ、何者だ? 人間?」

 聞いた話の流れで、会話聞いてくれるか? 殆どの確率で無理だろうが頼むから話通じて。

 「その前にその子、無関係だから逃してやってくれ」
「何をしているか分からんからな、ココに居てもらう」
「僕手伝える?」
「考え様や状況よっては手伝えるかもしれない」
「正直腕とかには期待しないで」
「よく選ばれたなお前、危なくなったら逃げろよ」
「そうさせてもらうよ」

 敵は全く動く気配は無く、子をファムに預けようとするが逃げられ、その後、敵に忠告をした上で累は距離を詰めて氷の剣攻撃しようと何度も振りかぶって攻撃するが、全て寸前で止めた。

 「どうした? 攻撃しないのか?」
「…… 無理だ……」

 その言葉を聞いた敵は油断させる事が目的だと思ったが、頭を下げて静かに言った。 戦意がない事が分かると、その言葉が本当だと言う事に、顔に出さず、心で驚いていた。

 復讐は無理か。 あのクソ主催者に悪い事が起きます様に

 「ココでお前達が死ぬか、私たちが死ぬか、それだけだ、なら答えは一つだろう」
「話し合いは?」
「無理だな」
「じゃあ殺してくれ」
「ちょっと何言ってるんだ累⁉︎」
「しょうがないだろ、ソレしか、手が無いんだから」

 敵も同じように頭を下げて、累に手をかざすと、身体の左半身が焼かれ、静かに敵を擦り抜け、前に倒れた。

 「愚かな、なんて、愚かな」
「"太陽"」

 敵は言葉を聞くと同時に空を飛んで距離を取った。 累の体の半分を包んでいた炎が身体の中に吸収されたが、服は焼け、左目は見えず、顔や身体に焼け跡か残った。 そして彼は見えない方の目を抜き取り。 手の中で潰して"審判"を使い、目を再生させた。 そして服がない事に気付いて、全く同じ服を身体に着せた。

「流石に、今、殺される訳にはいかないんだ、女狐」
「誰だ? お前は?」
「さて、誰でしょう」
「奴の体で何をしようと言う?」
「何、すぐに分かるさ」

累以外の誰かが手を握り締めると、何も起こりはしなかったが、累の中の誰かと敵は何が起こったか理解していた。

「霊体か、成る程、見る気はないけど攻撃は効かないから、一方的にやられたって訳か、恐らく"節制"も効かないだろうし、"隠者"か"愚者"でも無い限り詰み、しかも両方無いと来た。なら納得」

敵は累の体を燃やすが又"太陽"を使い火を吸収した。

「さて、"隠者"起こすのに時間かかるな、もしかしたら他も起きるかも」

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