刀と剣
「ちょっ……… 待って…… 落として……」
「僕もちょっとバテてきたから、ちょっと休もう、ね」
「じゃあ後で合流な、俺先に行っとく」
「絶っっ対ろくな事ならないからね!」
「直す気は無い」
「もう好きにしたら‼︎」
累は背後を少し向き、何事も無かったかの様に走って行った。迂回などせずに只々真っ直ぐに進んで行いった。四分ほど経つとチームでは無い二人組に遭遇した。片方は後ろに下がり、一人は刀を一つつだして構えた。累は足を止めて、二人の距離を目測で測りながらどう動くか考えていると刀を持った方が突っ込んで来て、もう片方は逆に走って逃げて行った。累は特に気にする様子は無く敵を見ていた。
敵は右から大振りに刀を振るうが、伏せて避けたが、振り下げた刀の向きを変え累の胴を狙うが、その手を読み右に転がり込んだ。敵は立ち上がる前に上から切ろうとするが今度は左に避ける時、敵の足を掴み、回り込り立ち上って、刀の間合いから外れた。
刀対素手か、そこら辺に剣とか置いてあったら良いんだけど何も無いしな、氷で剣作る位なら多分ノーカンだろ。本当に剣の才能何て有るのかついでに試してみよう。
累は手に氷の剣を作り手に取ると相手は刀をもう一本出して先手必勝とばかりに切りかかってきた、右左と連続で攻撃してくるが全ていなし、数回いなした所で右の刀を巻き上げ、少し距離を置こうとするも累は氷の剣を消し顔を殴った。相手はその衝撃で刀を手放した。
「降参だ」
「降参したらどうしたら良いのか聞いても?」
「…… 話聞いてたか? 始めに居た所に戻って、待機するから、ソッチは、何も、しなくて、良い」
「了解、ありがとう」
「ちゃんと二人以上行動しないと駄目じゃん」
不意に背後からニーナの声が聞こえたので累は反射的に回し蹴りをしたが蹴られる前にニーナは後ろに大きく下がった。
「ドーチ君お疲れ様」
「頑張って下さい」
「次はお前か」
「悪いんだが俺も居る」
「運悪いな俺」
累は来た道を戻ろうとするがニーナな先回りし、反対の道は雄介が塞いでいた。
「ちゃんと二人以上で行動してたらこうはならなかっただろうな、ソレで降参は?」
「すると思うか?」
「うーん、じゃあ仕方ない、雄介君ちょっとソッチ通さない様にしてて」
「分かった」
「加減しないからな」
「しなくて良いよ」
ニーナは素早く近づき何かを刺そうとしたが累はほぼ直感で攻撃を防ぐと、ソレは氷で出来た短剣だった。