違和感
コイツ氷使うのか、でも何か違和感が有るような無いような……
累は氷の剣を捨てて先程相手の落とした刀を手に取った。刀自体いつ消えてもおかしくは無いが迷いなく刀を取ったのは余程主催者が気に入らなかったのだろうか。累は刀を逆にして構えているとニーナは氷の剣を作りニーナも構えた。
「氷使うんだよな」
「来ないの？ その刀いつ消えるか分からないよ」
累は刀を手に取るのは初めてだったがそんな事は気にせずニーナと戦った。最初に間合いを詰め累は斬りかかるが避けられ、足を凍らされるが、累の身体や周囲は凍らず、ニーナが驚いて、少し身体が止まった。チャンスとばかりに累が刀を振るうがニーナは一瞬で目の前から消えた。累が固まっていると肩を叩かれ、振り向きざまに頬を突かれて又固まった。そんな事をしていると雄介から「真面目にやれ」と少し怒った声でニーナに向かって言ったが、軽く謝る程度で反省しているとは思えない感じだった。
「怒らなくても良いでしょ」
「真面目にやれって言ったんだ」
「敵が居る前で口喧嘩やめろ、ってかお前さっきちゃんと攻撃してたら優勢だったろ」
「不意打ちって何か違うと思う」
「戦いは何でもありだから不意打ちも有りだろ」
「お前はするのか？」
「場合による、ってかもう再開するぞ」
「降参してよ」
「………分かーー」
累の言葉を遮る様に葵が飛び出し乱入してきた。
「ちょっと何やってるの⁉︎ 何で会話してるの？
雄介ちょっと説明して」
「コイツのおふざけが原因だ。 後会話はもう終わった」
「君には聞いてないけどありがとう」
「共闘でもするのか？」
「君は強いけど二対一は懲りただろう。今から共闘」
累は溜息を吐きながら「共闘は嫌いだ」と言い、累は降参すると言った。
「えっ ちょっと蹴っちゃうの⁉︎」
「俺との共闘なんざ共倒れ確実だ」
「やってみないと分からないだろう、ってか君誰か倒した？」
「二刀流の奴は倒した、一緒にいた奴は逃げられた」
「考え直せ。お前が降参したら最悪二対一で葵が戦うんだぞ」
「そうだよ。聞かなかったことにするから共闘して、ね」
「……… お前ら敵に降参するなとか頭大丈夫か？」
「なんだと？」
「気が変わったから共闘な、期待はするな」
「無視すんな」
「じゃあそこの人出てきて良いよー」
ニーナは少し離れた建物の影を見ながら声をかけると、建物の影から気を落としながら一人出てきた。
「気付いてんなら言ってくれ」
「言ったら止めてくれないじゃん」
「悪どいなお前」
「ニ対三か、しょうがない」
