斥候
「神様お願いです。時間の進行速度を可能な限り遅くして下さい、明後日までで良いんで」
「神様とか信じてるんだな」
「半分信じてる」
「そんなに明日の団体戦が嫌なの?」
「共闘は苦手だ」
まさかアイツゲームしてる最中、ゲームに付き合ったからって理由で明後日の団体戦に参加して仲間とちゃんと連携する様に言われるとは、事後だから断る訳にはいかなかいし、あの野郎……
「もし共闘する時は宜しくね」
「先に言っとくが俺は思い通りに動くとは思うなよ」
能力無しで乗り切らないと騎士団長擬きの強化には絶対に勝てない、騎士団長擬きの実力は知らないが目安は高めに設定してて損は無い。
「俺もいつかはソコへ行くからな」
「もし来た時は俺の代わりよろしく」
「そんな事言わず一緒に戦おうぜ」
「仮に一緒に戦う時が来ても嬉しくも何とも無いな」
そして累の祈り虚しく、意外と早く休みが空け、十対十団体戦が始まった。しかも仲間は殆ど喋った事の無い葵が仲間で、雄介、ニーナは敵だった。
修行どころじゃ無いかもしれない。最悪能力使わないとダメかも、ってか何で2人が敵? まぁ片方は自称強いだし多分大丈夫。そう思っておこう
累は作戦を決める時単独行動を希望したが直ぐに拒否され、累は葵ともう1人と斥候に命じられた。そして累達は移動しながら市街地(戦闘用)の所に向かった。
「斥候って何?」
「偵察したり攻撃したり追跡したり」
「分かった。ってか、何で市街地?」
「くじ引きで決めるって聞いてる、後壊し過ぎると怒られるよ」
「能力使う気無いからソコは大丈夫だな」
「使って下さいよソコは‼︎ 負担掛かるの私達なんですよ‼︎」
「敵に場所バレるかもしれないだろ静かにしろ」
「能力使わないとか何考えてるんですか貴方⁉︎」
「さぁな、後そろそろ黙れ」
「落ち着いて、ね」
「大声じゃ無いと喋れないのかお前」
「誰のせいだと思ってるんですか⁉︎」
「はいはい悪かった悪かった」
「全然悪びれてないね……」
「後どの程度走るんだ?」
「十分位?」
「もうちょい速度上げて七分に着くようにするか?」
「多分バテます」
「じゃあ俺が敵と先に戦闘しとくから後で付いてきて」
「単独行動はダメだってば、単独行動ダメって言われなかった?」
「俺一人だったら多分俺を減らそうとするだろうし、俺が戦ってる数言えば良いだろ、後勝てないと思ったら能力使うから大丈夫」
「最初から使って下さい‼︎」