青い梟の導き

夜間燈

 青年は梟が描かれた腕章に触れた。彼の頭上には様々な色が渦巻く不気味な空が広がる。青年はその炎のように赤い目で、そんな空を睨みつけた。

 自然が神を作ったと信じられている世界。そんな世界は現在、「闇月」と呼ばれる災害に苦しめられていた。
 闇月とは、異界からの侵略生物である「禍津物」が大量に発生し、国を破壊する災いである。
 そんな禍津物を殺すため、獣と兄弟の契りを結んだ者がいた。
 彼らは「獣の兄弟」と呼ばれ、闇月で戦い、死んでいく。
 青い髪と赤い目を持つ少年、クミツ。彼もまた黒虎のシャナと兄弟の契りを結んでいた。
 彼はあるきっかけによって、禍津物を殺す集団である「獣兵団」に入団する。
 そんな彼の前に突如現れたのは、影から禍津物を生み出す男だった。
 
 禍津物とは、闇月とは何なのかーー自然の禁忌すら巻き込んだ疑問によって、孤独だった少年の運命は動き出す。

目次
★と感想

★を贈る

星を選択して「いいね!」ボタンを押してください。投票後、「いいね!を取り消す」ボタンを押せばいいね!を取り消すことが可能です。

感想を書く

感想を500文字以内で入力してください。入力した内容は作者の承認後、感想欄に表示されます。

通報をする

読者への感謝の気持ち