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青年は梟が描かれた腕章に触れた。彼の頭上には様々な色が渦巻く不気味な空が広がる。青年はその炎のように赤い目で、そんな空を睨みつけた。
自然が神を作ったと信じられている世界。そんな世界は現在、「闇月」と呼ばれる災害に苦しめられていた。
闇月とは、異界からの侵略生物である「禍津物」が大量に発生し、国を破壊する災いである。
そんな禍津物を殺すため、獣と兄弟の契りを結んだ者がいた。
彼らは「獣の兄弟」と呼ばれ、闇月で戦い、死んでいく。
青い髪と赤い目を持つ少年、クミツ。彼もまた黒虎のシャナと兄弟の契りを結んでいた。
彼はあるきっかけによって、禍津物を殺す集団である「獣兵団」に入団する。
そんな彼の前に突如現れたのは、影から禍津物を生み出す男だった。
禍津物とは、闇月とは何なのかーー自然の禁忌すら巻き込んだ疑問によって、孤独だった少年の運命は動き出す。0クル
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