「トール。お前気づいてるだろ? 俺達、最強の勇者パーティーに何もしない荷物持ち(ポーター)は必要ないんだよ」
15歳の時に天職を与えられる世界。幼馴染の俺達五人は勇者パーティーとして旅立つ事になった。
『ジョブ・レンダー』という職業を貸与する天職を与えられた俺。本当は彼等は外れ職業しか授かっていなかったのである。
俺は幼馴染の4人にチート職業を貸与する。
『ジョブ・レンダー』には四人までの使用制限があった。俺は四人に職業を貸与しているため、無力な存在となってしまう。仕方なく俺はパーティーの荷物持ち(ポーター)をする事に。
チート職業を得た勇者パーティー連戦連勝を繰り返す。
その事を自分達の力だと思い始めた勇者達は、俺を何もしないただの荷物持ち(ポーター)だとして糾弾を始める
「本当にいいのか? 俺はただの荷物持ち(ポーター)なんかじゃない。ジョブ・レンダーとしてお前達に職業を与えてたんだぞ」
「いいから、出てけよ。俺達のパーティーに何もしない無能は必要ないんだよ!」
「そうか。わかった。出てくよ」
勇者達からそう言われ、パーティーをあとにすることを決めた俺は去り際に呟く。
「お前達に貸した職業は返して貰うからな」
その直後、勇者パーティーは絶体絶命の危機に直面することになる。
「お、俺が実は勇者じゃなくて村人だと!?」
「う、嘘! 私って大魔法使いじゃなくてただの遊び人!?」
「お、俺は聖騎士じゃなくてただの農民だったのか!」
「え!? 僕って大僧侶じゃなくて、ただの無職だったの!?」
勇者パーティーがチート職業に就けたと思っていたのは俺がジョブ・レンダーとして職業を貸していたからであった。
ただの外れ職業に成り下がった勇者パーティーは連戦連敗。周囲からの評判も地の底へと落ちていく。
そんな時、俺は幼馴染の王女と再会を果たす。俺は彼女に『聖女』を貸し与えた。
こうして俺と彼女は危機に陥っている王国を救う事に。
それから俺は自由で気ままな冒険者ライフを楽しむ事を決めた。
『ただのお荷物』として馬鹿にされていた少年が『ジョブ・レンダー』として大陸中にその名を轟かせる。
これはそんな成り上がりの英雄譚である。
ログインすると作品の応援や感想の書き込みができるようになります。新規会員登録(無料)はこちら。
★を贈る
星を選択して「いいね!」ボタンを押してください。投票後、「いいね!を取り消す」ボタンを押せばいいね!を取り消すことが可能です。
感想を書く
感想を500文字以内で入力してください。入力した内容は作者の承認後、感想欄に表示されます。
通報をする
読者への感謝の気持ち