かつて、中央大陸をその強大な力で支配し、2000年以上の栄華を誇ったロシュフォール帝国があった。その帝国は、長命族が主となり、多くの短命族を奴隷として使役していた。帝国は、古の部族ベルテオーム族の魔法技術を用い、さらなる力を求めて、禁断の魔法実験を繰り返した。だが、神をも凌ぐ力は、魔法制御が効かず、力の暴走を招き、力の根源である龍脈核を破壊してしまう。その代償はあまりに大きく、隷属させていた短命族の反抗を許しまう。短命族の積年の怨みは凄まじく、大陸各地で謀反の火の手が立ち昇り、帝国に連なる者は、ことごとく殺され、支配からの解放の名のもとに、帝国は破壊しつくされた。帝国は滅亡し、一部の力あるものだけが命からがら生き残り、辺境の地や新大陸へ逃れ、かつてのベルテオーム族と同じ末路を辿った。こうして、長命族は、歴史の表舞台から姿を消し、短命族の時代が訪れる。だが、自由を勝ち取った短命族は、お互いに協調し合うことなく、それぞれが部族ごとに国を造り、争いをやめる気配をみせない。数十年後、はるか南方大陸から、砂漠の部族キルビナの大侵攻が開始される。帝国のごとき強大な軍事力を持たない国々は、未知なる敵に各個撃破され、大陸南部を占領されてしまう。事態を憂慮した短命族は、力あるロシュフォール帝国の生き残りを探し出し、大陸の北と東でそれぞれ蜂起する。そして、北軍と東軍は、周辺国の部族をまとめ上げ、異民族を排撃するべく、進軍を開始する。同時に、帝国の国教として威勢を誇っていたロシュフォール教会は、各地に散ったかつての騎士団員に指示を出し、北と東の軍を連携させて、戦況を好転させる。連合軍は、数年に渡る戦いのあと、侵略勢力を大陸から駆逐する寸前にまで追い込むことに成功する。しかし、キルビナ族は、起死回生を図り、連合軍を離反させる疑心暗鬼の種を撒く。その策略は見事に的中し、連合軍は離反しあい、瓦解してしまう。以後、戦況は膠着し、連合軍はキルビナ族と睨み合うものの、決定打を与えることができず、キルビナ族に大陸南部の支配域の確立を許し、キルビナ帝国を建国させてしまう。それを見た連合軍は、それぞれが国元へ引き返し、各地の支配権を磐石にして力を蓄えることに専念する。こうして、群雄割拠の時代が幕を開け、剣と魔法に彩られるさまざまな物語が紡がれることとなる。
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