音を失った令嬢は、声を失った元英雄に拾われる
『お前は何ができる?』
男性――【沈黙】サイレンが私に問う。筆談で、だ。
『ここは戦場。役立たずを養う余裕はない』
これほどロマンチックさを欠いた初夜もないだろう――。
指揮を高める彼方まで轟く声と、自ら先陣を切る勇猛さで、多大な功績を残した【勝ち鬨】サイレン。しかし壮絶な撤退戦で喉に致命的な傷を負ったサイレンは、声と自信を失い、敵国・魔王国と領土を接する辺境領サイラスに転封されてしまった。
辺境都市サイラスは【沈黙の魔王】による【沈黙魔術】の所為で、一切の音が聴こえない特異な地。行軍・築城・戦闘――あらゆる行動に命令・号令が必須な軍隊において、これほど戦いにくい地も他にない。サイラスは城壁造りもままならず、魔の森から無限に湧き出てくる魔物に苦しめられていた。
『手話です。それが、私にできる全てです』
そんな地獄の地に、捨てられるようにして嫁いできた女性・ライト。彼女が異世界に持ち込んだ【手話】はやがて、この最悪の状況を一変させることになる。
目次
- 1『手話です。それが、私にできる全てです』
- 更新日:2024年12月15日
- 2『絶対に離れるな』
- 更新日:2024年12月15日
- 3『職人に手話を教えます。ご許可を』
- 更新日:2024年12月15日
- 4『ラ・イ・ト。それが私の名前です』
- 更新日:2024年12月15日
- 5「こ・ん・に・ち・は」
- 更新日:2024年12月15日
- 6『呼びたいんだ。私が、キミの名前を』
- 更新日:2024年12月15日
- 7『勝ち鬨を上げよ!』
- 更新日:2024年12月15日
- 8『全軍突撃!』
- 更新日:2024年12月15日
- 9「え?」
- 更新日:2024年12月15日
- 10『行ってくる』
- 更新日:2024年12月15日
- 11「誰か――!!」
- 更新日:2024年12月15日
- 12『私が指揮を執ります!』
- 更新日:2024年12月15日
- 第1章エピローグ
- 更新日:2024年12月15日
- 第2章 1『陞爵?』
- 更新日:2024年12月15日
- 2「会いたかったわ、サイレン!」
- 更新日:2024年12月15日
- 3「私をサイラス領に連れて行って!」
- 更新日:2024年12月15日
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